専用施設がなくても意味のある調査は可能
ビービットの調査を見学されたことがある方は、ユーザ行動観察調査には専用施設が必要だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、複数人で見学したい/録画を行いたいというケースでなければ、小さな会議室を利用して行ったり、あるいは簡易的に隣の同僚に、デスク上でサービスを見てもらうというような形でも、インプットとして十分意味があります。
なお、複数人で見学したい・録画を行いたいといったケースでは、弊社にお声がけいただければ、調査施設をお貸しすることも可能です。
ユーザ行動観察調査は専門家でなくても実施可能 - 自社で行う際のポイント2つ
オープンクエスチョンでバイアスのない回答を得る
調査を実践する際に、精度の高いインプットを得るためのポイントを2点ご紹介します。
ユーザ行動観察調査は一般的に、①背景情報のヒアリング②行動観察③行動についてヒアリングの流れで進みます。信憑性の高いインプットを得るために、それぞれのステップでバイアスをかけないことが重要です。
例えば、ヒアリングにおいては質問の仕方が重要です。質問の種類には、2種類あります。クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンです。クローズドクエスチョンは、yes/noで答えられる質問であり、オープンクエスチョンは、「どう思いましたか?」等の、制約なしに自由に答えられる質問のことです。
ヒアリングの中で、クローズドクエスチョンから聞いてしまうと、ユーザの回答の範囲を限定してしまい、バイアスがかかってしまいます。一方、オープンクエスチョンは、回答の範囲を限定しないため、基本的には、まずはオープンクエスチョンで質問することが大切です。
リアルな「状況設定」を行う
生々しいユーザの声を拾う行動観察を行うためには、リアルな状況設定が欠かせません。状況設定とは、調査に参加するユーザがより自然に行動できるようにするために「実際に使った/使うであろう状況」を再現することです。
※参考:状況設定によってユーザの行動は変わる。
上図のように、どのような状況を設定するかでユーザの行動は変わります。調査目的に合わせた状況設定を行うことが、上質なインプットを得るうえで重要です。
もちろん、気を付けるべきポイントは多くありますが、上記2点を押さえることで、自社内の調査で得られるインプットの質は大きく向上します。
ユーザ行動観察調査 内製化プログラムのご紹介
20,000件以上の行動観察調査を手がけてきたビービットが、内製化をご支援
「より精度が高いユーザ行動観察調査をできるようになりたい」という場合は、弊社が提供する、「ユーザ行動観察調査 内製化プログラム」のご利用をおすすめします。
ビービットでは、延べ20,000件以上の行動観察調査を手掛け、クライアントのビジネス成果を支援してきました。その中で培った行動観察調査のノウハウを、レクチャー・実践を通じてお伝えいたします。
プログラム内容は参加人数や目指すスキルレベルによって異なりますが、概ね以下の形で実施しております。
支援内容
支援は、大きく下記2つのステップで進行します(下記の日数は、参加人数・目指すスキルレベルによって前後します。状況に合わせてご提案差し上げます)。
1. ユーザ行動観察調査の座学レクチャー(半日×2日間)
2. 「調査設計~調査~分析」を参加者の皆様に実践いただき、コンサルタントからフィードバックを行う
ユーザ行動観察調査 内製化プログラムの具体的なご支援内容
1. まずは座学でレクチャー
まずは、ユーザ調査について座学で学びます。調査設計・調査・分析まで、網羅的にコンサルタントからお伝えいたします。
レクチャーは、2日間に分けて行われます。1日目と2日目の間には、宿題として調査設計をやっていただくため、実践的な学びを得られます。レクチャーの主なアジェンダは下記の通りです(※アジェンダは課題・ゴールイメージ等によって変更する可能性があるため、参考としてご覧ください)。
■1日目
- ユーザ行動観察調査とは
-ユーザ目線に立つことの重要性
-ユーザ行動観察調査と、その他の調査手法との違い - ユーザ調査の進め方/Tips(前編)
ー調査目的の定義
ー調査設計
■2日目
- 調査設計フィードバック
- ユーザ調査の進め方/Tips(後編)
-調査進行
-調査結果の分析
<実際にレクチャーを受けた方からは、下記のような声をいただいています>
- 今まで自分で調査したこともあったが、調査設計・バイアスをかけない方法など知らなかったことを知識として学ぶことができ、今後より高い質で調査が行えそうだと感じました。
- 他部署の人も講義に参加して「ユーザ調査すごいですね!」と言ってもらえたのがとてもありがたい。今後のCX推進活動がしやすくなりそうだと思いました。
2. 参加者自らが調査を実践し、ビービットのコンサルタントがフィードバック
レクチャーを受けた後は実践です。参加者自らが、調査設計・調査・分析を行い、それに対して、弊社コンサルタントがフィードバックをします。調査の被験者(観察される側)を誰がどう手配するかであったり、何個のテーマで何名分調査を行うのかといったところは、目指すスキルのレベルに応じて決めていきます。
<実際にレクチャーを受た方からは、下記のような声をいただいています>
- 6本調査を行ったのですが、毎回自分の課題がシャープになり、それを意識して実践するので改善ができてとてもいいループになりました。
- 新規サービス検証等の難しいお題はビービットに依頼した方がいいと思うが、既存チャンネルの課題出しや施策検証なら自分たちでできそう。
ビービットが推奨する調査体制
新サービス等の難易度の高い調査はビービットを活用、リリース後のグロース業務のための調査は自社で内製化
最後に、ビービットのレクチャープログラム実施後によく導入いただく調査体制をご紹介します。
調査を重ねる中で、トピックによる難易度の違いがわかってくるようになります。新規事業のコンセプト策定、新規アプリのリリース前検証等、新サービス・チャネルの検証は難易度が高いため、ビービットをスポット的に利用していただき、リリース後のアプリの課題把握や、改善案の検証のような、既存チャネルの改善については自社内で内製化することをおすすめしています。
日々の小さな改善は、コストをかけずにUSERGRAMで行う
また、自社内での調査を実施するにもおよばない日々の小さな改善(QA部分のみ・流入部分のみ)等の改善の為の分析は、調査コストをかけずに、USERGRAMというWebサイトやアプリ等、デジタル上の顧客の行動を可視化するソフトウェアを用いる方法もご案内しています。
貴社のCX推進の課題を、お気軽にご相談ください
CX推進を行う上で生じる課題は複合的であることがほとんどです。貴社の予算や課題に合わせ、カスタマイズされたアドバイス・ご提案が可能ですので、ぜひ下記の問合せフォームよりご連絡ください。ユーザ調査のケイパビリティだけでなく、UX・CXを担う横断部署に関するナレッジがございますので、相談相手としてもお役立てください。