Date : 2018

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29Mon.

貪欲にハッピーな体験を作り続けるビービットのエクスペリエンスデザイン(XD)コンサルタント

事業のこと

エクスペリエンスデザイン

コンサルティングという仕事にどのようなイメージを持っているでしょうか。 具体的に「こういう仕事だ」とイメージを持っている人、反対に全くイメージを持っていない人、もしくは自分には無縁の世界だと考えている人もいるかもしれません。 ビービットのコンサルティングとはどういった仕事なのか、エクスペリエンスデザイン部門(以下XD)責任者の平井剛直さんにお話をお聞きしました。具体的なイメージを持っている人、持っていない人、すべての人に必見の内容です。 ビービットのコンサルタント、もしかしたらあなたの天職かもしれません! 知的好奇心をくすぐられるビービットの仕事の世界をご紹介します。

創業から変わらないユーザ視点の精神

コンサルティングは、2000年の創業当時から行われている事業なわけですが、具体的にはどのような仕事になるのでしょうか。

私たちのコンサルティングの特徴として、ユーザ視点が挙げられます。ユーザの立場に立って企業とユーザの関係性や体験を設計する、それが私たちの仕事です。一般的には体験設計、Experience Designと呼ばれますね。
私たちが体験設計を通じて目指しているのは、より良い社会です。 一つ一つの企業が自身のユーザを深く理解し、ユーザに寄り添って体験を設計、提供することで、ユーザがよりハッピーに暮らすことができる、そういった社会を作りたいと考えています。ビービットのXDコンサルタントとはどういった仕事なのかという問いかけには「人をハッピーにする仕事」と答えることもできますね。

平井 剛直(ひらい つよただ)

エクスペリエンスデザイン部門責任者。慶應義塾大学大学院修了後、2002年よりビービットでコンサルタントとして企業のデジタル領域の体験改善に従事。その後、マネージャーを経て、2018年より現職。

体験設計でどのようにハッピーを作るのでしょうか。

ビービットが取り組んだプロジェクトではないですが、わかりやすい例なのでよくする話があります。病院のMRI検査の体験設計の例です。子供ってMRIが怖いんですよ。MRIって暗いし狭いじゃないですか。だから、8割の子供はMRIを使うのに麻酔が必要だったそうです。それに心を痛めた技術者が、子供がMRIを怖がらないように体験を設計した、という取り組みです。
どのように体験設計したと思いますか? とっても素敵なアイデアですよ。
白い壁と医療機器しかない無機質だったMRIの部屋全体を装飾して海賊船に見立てたんです。狭くて暗いMRIの中はワクワクする海賊船の一室になりました。
まるで遊園地のアミューズメントみたいな空間です。検査技師の人はこう言うそうです。「これから海賊船に乗るからね。海賊に見つからないよう、静かにじっとしていてね。」これは子供も喜びますよね。中には「あの海賊船に明日も行きたい」と言い出す子供までいるそうです。その結果、麻酔を使う子は1割にまで減少しました。これまでは恐ろしい体験だったMRIを楽しい体験の場所に変えました。この、問題の発見から具体的解決までの一連の仕事が体験設計です。

※ 動画の再生ボタンを押すと、海賊船になっているMRIの部屋のイメージをご覧いただけます(動画の途中から再生されます)

意味合いを変えてハッピーを作りだす

体験設計で重要なことはなんでしょうか。

体験設計を考える上では深刻な問題を抱えている状況を特定することと、意味合いを変えることという2つが重要です。先ほど紹介したMRIの例では、子供がMRIを怖がり、麻酔まで使わないといけないというのが深刻な問題を抱えた状況です。体験設計はMRIを「怖い検査の機械」から「楽しい冒険の場所」に変えました。MRIはMRIのまま、機能や目的は全く変わっていません。つまりMRIの意味合いを変えたわけです。
日々の生活の中にこうした違和感や不便ってたくさんありますよね。これがビービットにとっては大きなチャンスになります。意味合いを変えて良い体験を設計することができたらその違和感や不便をハッピーに変えられるからです。
また意味合いを変えることは今後より容易になっていくと考えています。日常ではあまり意識しないかもしれませんが、「意味合いを変える」ということは実はかなり私たちの身近になってきているんですよ。

意味合いを変えることが身近になってきているというのは何故ですか。

デジタル技術が発達し、私たちの生活に身近になってきているからです。

ものすごくわかりやすい例をあげますね。数年前に大流行した「ポケモンGO」です。「ポケモンGO」は自分の街や、観光地にポケモンが現れましたよね。近所のコンビニがポケストップになったり、公園がジムになったりしました。見慣れた街を歩くことが、ポケモン探しの旅になりました。つまりは、いつもの街や観光地の意味合いを変えたわけです。
「ポケモンGO」を可能にしたのはデジタル技術の進化です。デジタルの世界では、画面を一枚通すだけで普段とは違う景色や体験に簡単に触れることができます。デジタルを活用することで、体験設計が容易になるんです。

トライ&エラーを繰り返して体験設計を作る

ここまでは体験設計とはどういったことなのかの概要をお聞きしました。では、具体的にプロジェクトをどのように進めていくのか、その方法を教えてください。

プロジェクトを進めるうえで重要なポイントはユーザの深い理解と体験の作りこみだと考えています。
まず1つ目のユーザの深い理解ですが、体験設計で誰を幸せにしたいのかというとユーザですよね。そのため、体験設計を行う上で、ユーザの行動や心理の調査分析がとても重要です。ビービットではこのプロセスを「ユーザ行動観察調査」と呼んでいます。これは体験設計の肝とも言える部分です。
ユーザ行動観察調査ではユーザの方に商品やwebサイトなどを実際に使ってもらい、どういった行動をするのかを調査・分析します。その際、取り扱うサービスによって、実際にそれを使うシーンに近い状況をラボで極力再現します。例えば、これはリビングルームをイメージした部屋ですね。

テレビやソファーやテーブルなどを設置して、部屋の中はさながら家庭のリビング。自分の家にいるようにリラックスしてもらい、実際の状況に近い行動を再現してもらうようにします。
このほかにもオフィスのような部屋もありますし、過去には電車の中を再現したこともありました。
全てはより自然に近い行動を分析するため。これまでに累計で18,000件以上のユーザ行動観察調査を実施しています。

18,000件ですか!すごい数ですね!ユーザ行動観察調査をする上で気をつけている点などはありますか。

重要なのは行動を見るということですね。
誰にでもあることかと思いますが、言っていることと実際の行動が違うということはありますよね。それに環境によって発言が変わるということもよくあります。つまり意見よりも事実(行動)を見るということです。
「この点はユーザに喜んでもらえる」と思っている箇所でも実際はそうではないということがあります。これはアンケートなどでも「喜んでもらえていない」という事実を知ることはできるとは思います。しかし「なぜそうなのか」という根本を知るためには行動を分析するのが一番効果的です。
とにかくユーザの行動を第一に見る。そして、どういったことに不安やニーズを持っているのかを含め、彼らの置かれた状況を愚直に丁寧に分析します。

ユーザ行動観察調査からどのように体験を設計していくのですか。

ユーザの行動を調査したらすぐに体験設計ができるかというと決してそんなことはありません。
ユーザ行動観察調査を経て、「こうしたらより良い体験になるのではないか」という仮説を立てます。そして、モックアップ(ラフな見本)を作って、立てた仮説を具体的に試せる状態にし、ユーザに使ってもらいます。これを「プロトタイピング」と呼んでいます。
このプロトタイピングはですね、一回ですぐに正解が出ることはほぼないんですよ。基本はトライ&エラー、失敗しては再度仮説を立てるの繰り返しです。失敗を繰り返しながらハッピーな体験への精度を高めていきます。
体験設計が出来るまでの大まかな流れとしては、「ユーザ行動観察調査」→「仮説を立てる」→「仮説を基にしたプロトタイピングをユーザに試してもらう」というループですね。

体験を作り上げることはとても大変なことのように思いますが、なぜビービットは体験設計にこだわるのでしょうか。

「人間の心理や行動特性を探求することで、真に役に立つ製品、サービス、またそれらを支える仕組みを創出し、豊かな社会の実現に貢献する」という理念を実現したいから、に尽きますね。
また、より良い体験を設計すれば、ユーザが喜んでくれ、長く使い続けてくれるようになります。そうすれば購入履歴や行動履歴、バイオグラフィーなど、ユーザのデータがどんどん蓄積され、更に質の高い体験を提供することができるようになります。企業も持続的な発展が可能になるので、ビジネス的な視点で考えても、体験設計は今後無視することができなくなると考えています。

ビービットのXDコンサルタントはどのような人が向いている?

ビービットの仕事はどういった人が向いていますか。

抽象的な言い方になりますが、世界の見え方の感覚は大事ですね。
企業側から見える世界と、ユーザに見えている世界は全く違うんですよ。企業が「ユーザのことはよく理解している」と思っていても完全に一致しているということはありません。
企業とユーザがそれぞれ見えている世界のギャップをちゃんと理解できること、そしてそのギャップをクライアントに臨場感を持って説明し、行動を変えてもらえるよう説得できる力が必要です。
また、先程お話したように体験設計を作り出すまでには死屍累々のアイデアがあります。基本は失敗の繰り返しです。
失敗に失敗を重ねながらも必ず正解はあるという楽観的な気持ちを保ち続けられることが重要ですね。

ビービットで働く上で事前に身に着けておくと役に立つスキルなどはありますか。

好奇心があることは必須です。そうでなければこの仕事は楽しめません。また、僕たちの仕事は志が尽きると止まってしまいます。「社会がこうあったらいいのに」という志を持ち続けることが重要ですね。
もう一点、執念を持ってやりきることです。とは言っても、ただやりきるだけではありません。重要なのはプライド。プライドを持って自分の仕事は一流だと自信を持って取り組むことです。執念と執念を支えているプライド、これがある人はどこでも強いですよ。
知識は入社した後からでもいくらでも教えます。一流の仕事を一緒にしたいという志を持った仲間をビービットではお待ちしています。

平井さんにビービットのコンサルティングについてお話をお聞きしました。
情熱的に話す平井さんから仕事のやりがいや楽しさをひしひしと感じることができました。本記事を通じてその熱気が少しでも伝わればと思います。「我こそは」という志を持った皆様、ビービットのコンサルティングの門を叩くことをお待ちしています。

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