Date : 2018

10

26Fri.

Jobweb会長・佐藤孝治が聞く!CEO遠藤が語るビービットのいままでとこれから

ビービットのこと

組織・文化

以前こちらの記事でもご紹介したように、Jobweb会長の佐藤孝治さんは、ビービット創業期…というより黎明期からのお付き合いがあります。 今回、佐藤さんからの「僕が遠藤さんにインタビューしたら、ビービットのいいところをもっと引き出せるよ!」というご提案にありがたく乗らせていただき、対談実現のはこびとなりました。 さすが、長いお付き合いだけあって、社員でも知らないような話もぽろぽろ出てきます。かなりのロングインタビューですが、佐藤さんの道案内で、きっと最後まで一気に読んでしまうはず! それでは一席、お付き合いください。

エクスペリエンスをデザインするビービット

佐藤孝治さん(以下「佐藤さん」):佐藤孝治が聞く!ビービットインタビュー第1回のゲストは、ビービットCEOの遠藤直紀さんです(拍手)。


遠藤:あ、そういう感じで始まるんですね(笑)?


佐藤さん:はい(笑)、実はこの企画、シリーズ化も狙っているので、第1回と言わせてもらいました。
僕は仕事がら、自分のキャリアを考える若者の相談に乗ることが多いので、彼らにビービットのことをちゃんと紹介したいな、と思ったのがこの企画のきっかけなんです。

佐藤孝治(さとう こうじ)さん


Jobweb会長。96年10月ジョブウェブを創設。97年7月アクセンチュアに入社。99年10月ジョブウェブを法人化。学生の就職支援と企業の採用支援を通じて学生と企業のコミュニケーションをサポート。花まる学習会王子小劇場企画発起人。


というわけで、まずはビービットが何をやってるのかっていうのを、一言で教えてください。


遠藤:一言、っていうと難しいですけど…今は「デジタル時代のエクスペリエンスをデザインする」ということをやっています。
言うまでもないことですが、今ってスマホが普及して、すごくデジタル化が進んでますよね。何かを調べるときでも、買い物をするときでも、全部スマホ。

例えば電機メーカーがテレビを作るとしても、テレビだけで完結せず、スマホアプリと連動して何ができるかをデザインしないといけない時代です。顧客との接点として、製品だけ、店舗だけ、ウェブサイトだけ、とぶつ切りに考えるのではなく、トータルでどんな体験を届けるかを考えることが重要になってきています。

佐藤さん:でも、今まで誰もそんなことをやってきてないような…。

遠藤:そうなんですよ。それを実現している会社も、支援している会社もなかった。だから、ビービットが顧客のエクスペリエンス全体をデザインしようとしているわけです。

佐藤さん:例えば、総合代理店なんかは違うんですか?

遠藤:やろうとしてはいるんだと思います。でも、なかなか本当に全てのチャネルを見ることは難しいみたいですね。店舗とか、サイトとか、TVCMとか、それぞれを作ることは彼らもできるけど、トータルの体験を考えるっていうのは、やってきていないんじゃないでしょうか。


佐藤さん:じゃあ、ビービットは店舗設計までやっちゃう?


遠藤:いや、僕たちは出自がデジタルなので、あくまでもデジタルが主体です。さっきも言った通り、今は全てがデジタル化する時代なので、結局店舗のことも考える場合もありますけどね。


佐藤さん:店舗設計できる人と組んで、面白いことを考えるっていうほうが近いでしょうか。


遠藤:そうですね、餅は餅屋という側面はありますし。ただ、トータルで考えるっていうところは、僕たちの強みだなと。

創業3ヶ月、ただただ議論を尽くす日々

佐藤さん:ビービットが創業間もない頃、Jobwebはパーティションで区切られただけの同じフロアにいたわけなんですけど、あの頃は、ビービットさんたちしょっちゅう議論ばかりしているなぁと思っていました(笑)。


遠藤:会社を立ち上げるっていってメンバーが集まったけど、まだ何をやるのかを決めていなかった時期ですね。

ビービットの創業は2000年3月なんですが、構想自体は前の年から進んでいました。当時僕が勤めていたアンダーセンコンサルティングの先輩や同僚と、なんだかインターネットがすごいことになっているぞ、と。

当時は「若者で技術やアイデアがあってネットサービスを作り出せるなら、やらない手はない!」っていう感じでしたね。結局、会社を辞めてきた8人と、それまでの仕事を続けながら週末や夜だけ手伝うって言ってくれた5人、合計13人でのスタートでした。それが、2000年3月です。

集まったメンバーでお金を出し合って、さて何をやるかっていう話になったんですが、アイデアが出すぎて何をやるかが決まらない。みんな頭がいいから、他の人の出したアイデアの穴がすぐに見えて、決めきることができなかった。佐藤さんのご記憶にあるのは、このときですね、きっと(笑)。

決まらないまま色々なことを試していて、気付いたら2000年の6月。3ヶ月経って、やることは決まってないのに、お金はなくなっていました。正直、もうこのまま解散しようか、という雰囲気でしたね。

佐藤さん:そこから、どうやって先につながったんですか?


遠藤:1つは、副業として手伝ってくれていた5人への申し訳なさがありました。忙しい中で仕事をこなしてくれていたのに、3ヶ月たって何もできあがっていないし、お金もなくなったって言われたら、何なんだって思うでしょう?だから、彼らに出資してもらった分のお金は返したいと。
それからもう1つ、個人的な思いもありました。アンダーセンコンサルティングから来た仲間たちはみんな優秀で、どこへ行っても、1人でもやっていけるような人たちばかりでした。ただ、僕の後輩が1人勤めていた大手銀行を辞めてきちゃってたんです。


佐藤さん:中島さん、ですよね?いかにも「いい銀行にいた人」なんだなぁっていう雰囲気がありましたよ。


遠藤:今は統合で名前がなくなってしまいましたけど、間違いなく日本を代表する、世界に通じる銀行でした。そこを辞めてまで来てくれたのに、3ヶ月で解散なんてあんまりだよな、と思いました。
だから、誰か1人が会社をちゃんと引き継いでモノにして、辞める人にはお金を返していこうって決めたときに、僕が手を挙げたんです。

※ 「良い銀行からきた」中島さん(写真中央、2003年頃)

佐藤さん::そういう気持ちがあったとしても、なかなかそこで手を挙げられるものではないように思いますが…。


遠藤:それは、最初に勤めた会社にも理由があるかもしれません。その会社はいわゆるブラック企業で、働いていても誰かに貢献している実感が全くなかった。その頃、自分はもう死人だと思っていたんです。
それでもなんとか生き延びて、今ここにいる自分はゾンビだなという感覚があったから、だったら自分がやればいいと思えたんです。どうせ一度死んだんだから、やるだけやればいいや、と。


佐藤さん:そういう感覚は起業家として重要ですね。

彼らは突然「ユーザビリティだ!」と叫んだ

佐藤さん:1人会社を引き継いで、その後はどうされたんですか?


遠藤:結局、僕以外にも3人が残ってくれました。この4人だけの会社をどうしたらいいのか、ヒントを求めて創業記を読み漁りましたね。松下電器の松下幸之助さん、本田技研の本田宗一郎さん、ダイエーの中内功さんなど。

その中で気付いたのは、皆さん社会的課題を解こうとして創業している、ということです。例えばもののない時代に物質的な豊かさを提供するとか、戦後の混乱をひきずっている流通の問題を解決する、ということですね。お金を稼ぎたいとか、そういう動機ではない。

そして、たまたまその時期は、創業記に登場した企業が存続の危機に瀕しているときでした。僕はそれは、企業が間違っていたのではなく、解こうとしていた社会的課題が解決され、役割を終えたからだと思ったんです。

佐藤さん:なるほど、確かにそう考えられますね。

遠藤:じゃあ今はどんな社会的課題があるのかと考えたとき、前職で感じていたことを思い出したんです。

前職のアンダーセンコンサルティングで僕は企業へのシステム導入に携わっていました。業務システムだから、導入先の企業の人は嫌でもそれを使わないといけない。そのせいか、非常に使いにくいシステムが多かったんですね。

人間の生活を便利にするはずのコンピュータに人間が困らされるなんて、本末転倒だよな、と。しかも、これから確実に社会にコンピュータが普及していくことを考えると、人間に優しいコンピュータ社会をつくりたいなと思いました。


佐藤さん:解くべき課題は決まった、ということですね。


遠藤:次はどうやってそれを解くのか。当時のメンバーは4人中3人が元コンサルタントでした。だったら、コンサルティングをやるのが一番価値を出せそうだなと思いました。


佐藤さん:人間中心、コンサルタント。かなりビービットらしくなってきました(笑)。


遠藤:あとは、もともと盛り上がっているネット業界でなにかやりたいと集まったメンバーだったので、そこで僕らに何ができるだろうということを考えていました。
そんなときに、ネット先進国アメリカでは「ユーザビリティ」という概念があると知ったんです。ネットはセルフサービスチャネルなので、ユーザビリティが悪ければユーザは離れていく。これは面白そうだと思って、本も読んだし、大家といわれるドナルド・ノーマン氏やヤコブ・ニールセン氏にも会いに行きました。
当時日本ではユーザビリティという言葉自体、ほとんど聞いたことがありませんでしたから、最初に仲間に話をしたときには、誰もやっていないっていうことはニーズがないんだ、という反論も受けましたね。
それでも議論を重ねて、最終的にユーザビリティで行こう、ということになって…


佐藤さん:その時のことは覚えてますよ。いきなりビービットさんの方から「ユーザビリティだ!」って叫ぶ声が聞こえてきて(笑)。なんだなんだ、と思っていたら、武井さんに「佐藤さん、これからはユーザビリティですよ」なんて熱弁をふるわれたりして。


遠藤:それが、2000年の7月頃ですね。

※ 当時の写真。ガラケーで撮ってるから小さいです!

ユーザビリティからエクスペリエンスデザインまで、ビービットの4つの時代

佐藤さん:当時25歳、経験もコネもない中で、最初のクライアントはどんな企業だったんですか?


遠藤:ユーザビリティの、ということならコーポレートディレクション様ですね。直接の知り合いではなかったんですが、そこにアンダーセンコンサルティングの先輩がいらっしゃったんです。
サイトリニューアルを考えているというので会いに行って、その方に訊かれたのは、「アンダーセンの後輩なら頑張るだろうことはわかるから任せたいが、どんなサイトにするつもりなんだ」ということでした。
サイトに来るユーザのためになる、ユーザにとって使いやすいサイトにします、と答えたら、「それがまっとうだな。では、よろしく」ということで、ご発注いただきました。


佐藤さん:最初のクライアントがコンサルティングのプロというのも、緊張感がありますね。


遠藤:確かに、トータルのコンサルティング力という意味では、お客様のほうが圧倒的に上でした。でも、ユーザビリティという領域だったら、僕たちは考えに考えていたから、それを真摯に伝えて実行するだけ、という感じでしたね。


佐藤さん:専門領域では負けない、ということですね。その後、ユーザビリティ黄金期が来る?


遠藤:火がついたのは、三井住友銀行様のローン領域案件で成果10倍を出したあたりからですね。そこに至るまでに3年ほどかかりました。

※ ユーザビリティ黄金期…に見えないですね。昔からみんな真面目なんです。(2004年頃)

佐藤さん:例えば銀行なら、ユーザビリティをよくするナレッジは共通で使えるものですか?


遠藤:結果として出てくる形は違いますが、ターゲットを決めて、サイトのゴールを設定して…というプロセスは同じですね。そのプロセスを方法論としてまとめて、2005年には書籍として出版しました(著者注:「ユーザ中心ウェブビジネス戦略」)。その本を読んだというお客様からも、たくさんお引き合いをいただきましたよ。


佐藤さん:ユーザビリティ時代はいつくらいまで続いたんですか?


遠藤:そうですね、2008年くらいまででしょうか。その頃から、ユーザビリティ改善の目的は何なのか、ということを考えるようになり、その結果として、デジタルマーケティング改善が主力サービスになっていきました。
主戦場がユーザビリティからデジタルマーケティングに変わったことで、より強く意識するようになったのが、常にユーザのために、ということです。
それまでは、ネット事業部にいる感度の高い、ユーザビリティの大切さを理解している方がお客様だったわけですが、デジタルマーケティングとなると、極端な話「多少インチキをしてでも売上を上げる」みたいな考えに出会うことも増えました。
ただ、結局ご発注につながるお客様に、そういう考えの方はいなかったように思います。営業段階からユーザ中心と言い続けるスタイルを貫いた結果かもしれません。


佐藤さん:そこから、現在のトータルエクスペリエンスにつながるわけですか?


遠藤:いや、その前に1つ、組織変革にチャレンジした時代があるんです。
先程言ったような「売上のために何をやってもいい」みたいな状況って、誰も望んでそうなってるわけではないんですよね。本当はやりたくないと思っていても、上からの圧力だったり、株主からの圧力だったりで、売上最優先にせざるを得ない。
それって、組織自体が人間中心じゃないんじゃないか、って思ったんですよ。
利益のためなら何をやってもよい、から、顧客のために企業活動をした結果利益がついてくる、という構造にしないといけないなと。このあたりのことは、まとめてTEDでも話しましたし、信頼関係のあるクライアント企業でのプロジェクト事例をもとに本も書きました(著者注:「売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門」)。

※ TED講演の様子(2013年)

佐藤さん:なるほど、そういう時代があったんですね。


遠藤:その本がきっかけで組織変革のプロジェクトを何本もやらせていただいたんですが、その中で、大きい企業になればなるほど顧客のことを見るのが大変になるということを実感しました。
顧客実感が薄いと、組織を変えようと思っても切迫度が低くて本気になりにくい。結果、組織変革も途中で頓挫してしまうことが多いんです。
しかも、顧客を理解することって、とてもじゃないけど半年くらいのプロジェクト期間でどうにかなることではありません。ビービットのコンサルタントが抜けたあとも、クライアント企業の中で顧客理解のプロセスが続く仕組みがないといけないなと思いました。


佐藤さん:そこで登場するのがUsergramですね。


遠藤:はい。企業の日々の業務に顧客実感を届けるためには、コンサルティングという形にこだわらず、ソフトウェアの力を使うべきところもありますからね。これからは、コンサルティングとソフトウェアの両輪で、クライアント企業の顧客志向化を支援していきます。


佐藤さん:顧客志向と、最初に出てきたエクスペリエンスデザインの関係というのは?


遠藤:エクスペリエンスデザインを支援する過程で、顧客志向という文化をクライアント企業に伝えていく、ということですね。


佐藤さん:なるほど。

常に学ぶ姿勢を持ち、夜明け前に飛び込んできた

佐藤さん:ユーザビリティ、デジタルマーケティング、組織変革、エクスペリエンスデザイン、という4つの時代、ともすると軸がブレているようにも見えてしまいますが、実はこんな風につながっていたんですね。


遠藤:ブレて見えるのも仕方ないとは思います。でも、時代の直面している課題をとらえて日々進化しようとした結果だということには自信を持っていますし、社内向けにも真摯に説明したことで、みんなの理解と協力を得られてきたと思っています。
今もエクスペリエンスデザインをやっていく、ということについて社内で共通認識を持つための努力をしています。まだ確立したマーケットがあるわけではないので、本当にそれでやっていけるのか、という声も当然ながらあります。


佐藤さん:ユーザビリティでやっていくと決める直前と同じ状況ということですね。


遠藤:そうですね。我々は常に、マーケットがあるからそれをやる、ではなく、時代の流れに対して想いを持ってやってきているので、こういう議論は何度も経験していますね(笑)。


佐藤さん:マーケットには、夜明け前に飛び込まないとだめですよね。バズワードになってからでは遅い。そういう意味では、それを4回もやっているビービットは、4つ会社を作ったと同じくらいの経験をしていると言えそうですね。
それができるのも、遠藤さんがすごく勉強しているからだと思うんです。いい本に出会うとすぐに著者に会いに行っちゃうとか(笑)。先程話のあったユーザビリティの大家もそうだし、数年前にはフィリップ・コトラー氏にも会いに行ってましたよね。そういうのは昔からですか?


遠藤:行きましたね、会いに(笑)。大学時代に親にだまってアメリカ留学を敢行したことで、「なせばなる」と思っている部分があるのと、知恵の伝え方という点でアメリカが非常に優れていることを知った、というのが大きいと思います。
日本はどちらかというと口伝、背中を見て覚える、みたいな文化ですけど、アメリカは抽象化して体系化していくのが得意ですね。大学の研究結果も普通の書店で手に入ったりするんです。しかも、世界中の知恵が集まっている。勉強しに行くには最適な場所だと思います。

佐藤さん:なるほど。他から学ぶことも多いと思いますが、逆に、ビービットが世界一だと言えるようなことってありますか?


遠藤:そういう視点で考えたことはありませんでしたが、顧客志向に関する思想、という意味ではあり得るかもしれませんね。
顧客志向って、実は成熟した環境で初めて生まれるものなんですよ。日本では江戸時代にこういった考え方が出てきています。鎖国をしていたのでGDP成長も止まっているし、周りはみんな知っている人。「騙して儲ける」ではやっていけなくなってしまったんですね。
一方で欧米や中国は、ずっと発展・拡大を続けてきました。こういう状況には顧客志向は馴染みません。広大な土地が広がっていれば焼き畑をしながら旅をして生活していけるのと同じように、100万人都市がたくさんある中国では、詐欺師集団が人々を騙しながら都市を転々として生き延びていける、なんて話もあるくらいです。
日本が世界より一歩先を行っている顧客志向について、優秀な仲間たちがずっと考え続けているビービットは、もしかしたら世界一顧客志向について考えている集団と言えるかもしれません。
今は、もちろん成長を続けている国もありますが、以前のような爆発的な成長って少なくなってきていると思います。欧米を中心に成熟した社会が広がっている今、日本の顧客志向の精神を持ったビービットができることは多いと感じています。


佐藤さん:そういえば、最初にビービットが海外に出ていったのはいつ頃でしたっけ。


遠藤:2011年末です。このときは台北に、デジタルマーケティングのコンサルティングを持っていきました。その後、上海にもオフィスを開設しています。


佐藤さん:どうして世界に攻めていこうと思ったんですか?


遠藤:役に立つ実感を持てる仕事を世界に広めることで、人や世の中をいい方向に変えていきたい、という思いからですね。雑誌で読んだある少年の話が印象的で、そういうことを考えるようになりました。
その少年は、社会的地位もあって優しい父親を尊敬していたんですが、一緒に買い物に行ったときに、店員が間違えて多く渡したお釣りを「気づかない方が悪いんだ」と言ってネコババする姿を見てしまいます。そのときに少年は、世の中そういうものなのか、じゃあ僕もそういう風に生きていこうと思ってしまったんですね。そしてその後、盗みや暴力で繰り返し少年院に入るような人物になってしまった。
人の考え方って、こんなに簡単に伝播するのか、と思ったんですよ。
その後、マズローという心理学者が、同じ組織にいると考え方が似てくる、人格が仕事を作るのではなく仕事が人格を作るんだ、と言っていたことを知って、世の中を良くするためには、良い仕事を広めなくちゃいけない、という想いに行き着きました。
個人的には「役に立つ改革」って呼んでるんです。


佐藤さん:役に立つ改革、ですか。遠藤さんらしい。
海外展開の話は、また回を改めて聞きたいですね。東アジアオフィスには、なんだかすごい人たちがいるらしいときいているので(笑)。


遠藤:そうですね、ぜひ(笑)。

※ 上海オフィスオープンのお祝いを3拠点で同時に!(2015年)

「仲間を大切にする」と「仲間に支えられる」の循環

佐藤さん:ビービットの歴史はイノベーションの連続だと言えると思うんですが、なんでそんなことができたんだと思いますか?


遠藤:学び続けていることと、優秀な仲間たちがいることに尽きると思います。


佐藤さん:確かに、先日のTTPSゲームのときにも、ビービットの人たちはほんとに優秀で気持ちのいい人達だなと思いましたよ。こんな人達と一緒に働きたい、と。
先程、すべての仕事に貢献実感を、というお話もありましたけど、ビービット内部は実際どんな感じなんでしょうか?


遠藤:自分たちが貢献実感を持って働けるようにと思ってはいますが、役割分担をしていくと、どうしても自分の仕事の意味って見えにくくなるんですよね。
なので今年から、お客様からの評価を見える化しようという取り組みを始めています。いずれはその結果をパッケージ化して、お客様にも提供できるようにしていく構想もあります。始まったばかりなので、まだ数年はかかると思いますけどね。


佐藤さん:ある意味社内は実験場、ということですね。でも、きっといいケースになるんじゃないかな。最近、僕が関わってビービットに入社した人たちと食事に行ったんですけど、すごく充実して幸せに働いてるんだということが伝わってきましたから。
そういう環境を作れるというのはマネジメントの賜物だと思います。遠藤さんが「経営者」になれたのはいつ頃なんですか?


遠藤:ちょっと社員には言いにくいんですけど、経営者としては今でも及第点ではないかもしれないと思っています。目指す方向性を示す、ということはやっているつもりなんですが、みんなを束ねたり、戦略におとしたり、という部分は仲間たちに助けてもらっています。


佐藤さん:そういう仲間がいるというのも、ビービットのいいところですね。
最後にお聞きしたいのは、「起業したい、経営者になりたい」という若者はビービットに入るべきか、という質問なんですが…。


遠藤:難しい質問ですね(笑)。
実際、ビービットを卒業して会社を起こした人たちもいますし、そういうマインドを持っている人は歓迎です。ただ、せっかく一度仲間になったなら、なるべく長く一緒にやっていきたいというのも正直なところなので、「うちの会社は起業家養成の場だと思ってくれ!」というほどには割り切れないなぁ(苦笑)。


佐藤さん:なるほど(笑)、仲間を大事にする遠藤さんらしい回答ですね。
今日は長い時間、ありがとうございました!


遠藤:こちらこそ、ありがとうございました!

ビービットの歴史を振り返るインタビュー、いかがでしたか?もし、少しでもビービットという会社や遠藤直紀という人物に興味を持っていただけましたら、お気軽に下記からご連絡ください。いつでも、お待ちしています。

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