Date : 2019

07

12Fri.

アフターデジタル的都市考察番外編:テクノロジー最先端都市 雄安新区への道のりは長く険しかった

アフターデジタル

グローバルトレンド

エクスペリエンスデザイン支援事業部の石井です。 6月26日に公開した「アフターデジタル的都市考察 テクノロジー最先端都市 中国・雄安新区訪問記」を書いた際、同僚から「辿りつくまでの話も面白い」と言われましたので、改めて雄安新区への行き方とエピソードを書いてみたいと思います。 (2019年5月時点の状況なので、現在は変わっている可能性があります。最新の情報を調べてから行くようにしてください)

まるで情報がない!なんとかなる精神でとりあえず北京入り

高城剛さんのメルマガを見て雄安新区へ行こうと決めたものの、2019年の5月時点では行き方はおろか雄安新区自体の情報もほとんどインターネット上にありませんでした。調べることに時間をかけるより「行けばなんとかなるだろう」という気持ちで、とりあえず北京空港までのチケットだけを取り、現地へ向かいました。

13時頃 北京国際空港到着

案の定というか、ここでまず躓きました。

どうやら特急列車があることはわかるのだけど、路線図などの案内が全然ありません。さてここからどうやって目的地の駅に行こうかと、その場でインターネットで検索。

その結果、北京南駅から白洋淀駅まで新幹線で行けることがわかりました。

こちらの記事のおかげで助かりました。ありがとうございました。
http://flyfromrjgg.hatenablog.com/entry/beijincapital_to_dowtown

15時前 北京南駅に到着

北京空港からエアポートエクスプレス(特急列車)と地下鉄を乗り継いで、北京南駅に着いたのが15時前。
チケットカウンターに行って、iPhoneに打ち込んだ最寄り駅を表示し、「ここに行きたい」と英語で伝えると、

「今日も明日も新幹線のチケットは売り切れてるよ」

なんということ….

新幹線のチケットが買えなかったカウンター。

仕方がない、見ずに帰るわけにもいかないので、旅行代理店に行くなりタクシーをチャーターするなりしようと思い、ボランティアの方に声をかけました。(上の写真のオレンジベストを着用している方達がボランティアです。現地の人にすらチケットの購入方法が複雑なので、こうしたボランティアが沢山いるんだそうです。)

ボランティアの方で英語ができる方がいなかったため、タクシーをチャーターしたいとGoogle翻訳を駆使して伝えました。(余談ですが、Google翻訳を久しぶりに使ったら、精度がとても高くなっていて必要なやりとりに困ることはありませんでした。あらかじめダウンロードしておくと、オフラインでも使うことができるので便利です。)

そのボランティアの人がとても親切でDiDiを呼んで雄安新区往復チャーターの交渉してくれることに。

交渉が進んでいる途中、ふとボランティアの青年が、「俺もそこ行ったことないから一緒に行っていい?」と。

私も中国語のできる人が一緒にいてくれると心強いので、もちろんOKしました。

そこから2人で交通手段を改めて調べ直していたところ、北京西駅に出てローカル電車を乗り継げばタクシーよりも安く行けることがわかりました。ただ、そこで初めて予想以上に遠いことがわかり、ボランティアの彼が「やっぱりやめる…」と及び腰に…。

しかし、ここで今放り出されたら、言葉が分からない自分では長距離列車のチケットを取ることも厳しくなってしまいます。しかも、もう午後4時!!

私も一生懸命、「交通費と宿泊費を出すから一緒に来てくれ」とGoogle翻訳と身振り手振りで交渉。なんとかOKしてガイドしてもらえることになりました。

16:40 北京西駅 発〜保定駅乗り換え〜白洋淀駅

彼の案内で北京南駅から北京西駅に移動し、ローカルの長距離列車に乗ることができました。

長距離列車の中で食べた食事

この長距離列車、地元の人が帰省したりする時に乗る電車のようで寝台車や食堂車もついており、かなりのローカル感でした。
直前に乗り込んだことから席がなく、トイレの前のスペースに2時間立ちっぱなしのまま、乗り換えの保定駅まで向かいました。

その後、18:36保定駅発の列車に乗り換えて、白洋淀駅に着いたのは11日の20時くらいでした。

20時過ぎ やっと白洋淀駅到着

やっと到着しました。
駅舎の外に出ます。

何もありません。

思った以上に何もない。何もないです。

ボランティアの彼がいてくれてよかった…。一人だったらホテルを見つけるのにすごく苦労しただろうなと思います。

21時頃 白洋淀駅近くのホテルへ。

彼がその場で探してくれたホテルに向かい、無事チェックインできました。

日本円で1室4,000円くらい(約250元)

ちゃんと雄安新区を見ておきたかったため、翌朝7時に白洋淀駅に行きたいとわがままを言ったのですが、ボランティアの彼は快くOKして付き合ってくれました。ありがたい。

翌朝7時 白洋淀駅からトライシクルで雄安新区市民センターへ向かう

チェックアウトしてからすぐに白洋淀駅まで向かいました。

朝に改めて撮影した白洋淀駅

駅からトライシクルでまずは雄安新区のゲートまで。

トライシクルはゲートより奥には入れないそうで、ゲートから市民サービスセンターまでは、朝9時以降なら無人のシャトルバスが出ているそうですが、早く見てみたかったため、歩いて向かうことにしました。

完全に私の都合で歩くことになっても不満も愚痴も言わない彼は本当にいい人だなと思いました。

8時過ぎ 市民センター到着!

歩くこと30分ほど。ついに市民サービスセンターのシンボルが見えてきました!どうにか無事に視察することができそうで、本当にほっとしました…。

市民センターのモニュメント。

まとめ:北京国際空港から雄安新区(白洋淀駅)への行き方

今回とりあえず行ってから調べるか、という気持ちで行ってみましたが、当然の事ながら事前にできる準備をしておく方が楽だと思います。

まずは北京国際空港から北京南駅への行き方

<電車で行く場合:乗り換え2回・所要時間1時間程度>
北京国際空港(エアポートエクスプレス:約30分)

東直門駅(地鉄2号線)

宣武門駅(地鉄4号線)

北京南駅

北京地下鉄路線図

<バス:乗り換え0回、ただし渋滞のリスクあり!>
各ターミナル到着ロビーを出た向かいにエアポートバスの発着場があります。北京南駅行きのエアポートバスも出ていますが、今回は渋滞するときいて時間がないので、確実に時間の読める電車で行きました。時間に余裕のある場合は「乗っていれば着く」のでバスもいいかもしれません。

北京南駅から白洋淀駅までの行き方

北京南駅から白淀洋駅までは新幹線1本で1時間半ほどで到着します。

新幹線は予約なしでいくと私のように売り切れていることがありますので、事前に以下のサイトで予約をしておくことをお勧めします。
https://jp.trip.com/

上記の予約サイトはCtripという会社が運営しているのですが、今回、道中助けてくれたボランティアの彼が務めているのがこの会社だそうです。ただし、白淀洋駅周辺のホテルの予約は今のところ中国語版でないと探せないようで、注意が必要です。
新幹線が取れなかった場合は、上述の通り、北京南駅ではなく北京西駅からローカル線に乗ることになりますが、チケットの取り方や乗り換えを含め、中国語を理解できる同行者がいない場合は避けたほうがいいかもしれません。

白洋淀駅〜雄安新区入り口〜市民センター

白洋淀駅〜雄安新区入り口は、トライシクルが100円しないくらいで乗れますが、ビジネス視察の方はDiDiなどを使って車で移動した方がよいと思います。

雄安新区入り口から市民センターへは歩くと30分強ですが、午前9時以降なら無人シャトルバスが出ています。

※2020年には北京の北京大興国際空港から雄安新区とを結ぶ京雄都市間鉄道が開通予定だそうで、今回今よりもずっと行きやすくなりそうです。日本語での情報ももっと増えるといいのですが…。

雄安新区視察から見えた、中国へ視察に行くとき気をつけた方がいいこと

一番のオススメは、やはり平日に行くことだと思います。私が行ったのは土日でしたが、普段の姿を視察するには平日の方がよいでしょう。

また、VPNつきのWifiかSIMカードは必須です。ネットワークにつながればWeChatPayやDiDiも利用できますし、トラブルがあった際、google検索が使えたことは本当に便利でした。

更に、これはできればですが、現地の(中国人か、中国の銀行アカウントがある、住民登録をしている)人がいると、体験できる範囲が広がります。無人コンビニの顔認証などは中国に住んでいる人の端末でないと決済できないためです。私はボランティアの彼の携帯を借りて体験させてもらいました。

雄安新区への道中でも、ローカルな列車やトライシクルなど、ビフォアデジタルな体験をした一方で、電車やホテルの予約、タクシーの配車など、デジタルテクノロジーが生活に溶け込んでいると実感しました。ただ、技術が自分に代わって交渉してくれたりするわけではないので、いかにテクノロジーを活用するのかという視点が大切だなとも思いました。

現地に友人も出来たため、次回は北京市内や万里の長城にも遊びに行きたいと思います。

※ 雄安新区の中の様子はこちらの記事で!
アフターデジタル的都市考察 テクノロジー最先端都市 中国・雄安新区訪問記

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