偽札が怖いんじゃない、圧倒的に便利だから使うんだ
中国ではAlipayやWechatpayが普及していて、大手チェーンも市場のおばちゃんも皆QR決済、というのはよくニュースでも見る光景だと思います。また、その際には「普及の背景には偽札に対する不安があり…」などという説明を聞いたことがある人も多いと思います。
でも多分、普及の背景にあるのは偽札に対する不安などではなく、圧倒的な便利さだと思います。
例1)個人間送金ができる
例えば6人で居酒屋に飲みに行った時、1人が代表して払い、残りの5人に「ワリカン」機能を使うと、アプリが勝手に計算して、5人に金額を請求してくれます。5人はその金額をアプリ経由で払うだけ。酔っぱらった頭で金額を計算する必要も「ごめん、細かいのないから明日払うねー」もありません。当然、「飲み会に合わせていくら請求されてもよいように前もってお金を崩しておく」とかいうデキル女テクも不要。おおざっぱな性格の人にとてもやさしい世界…!
例2)領収書の取り忘れナシ
例えば会社経費でタクシーに乗った時、備品を購入したとき、いつものクセでレシートをもらい忘れて泣く泣く自腹…、ということがあると思います(私だけか)。でも、スマホ決済しておけば、経費精算するときにまとめてPDFをダウンロードして提出すればOKなので、領収書でお財布をパンパンにする必要がないのです。(経費精算アプリと連動していて、タクシーを降りたら数タップで経費精算まで終わるサービスもあるそうです。超うらやましい)
例3)わざわざ駅にチャージに行かなくてよい
スマホでその場で銀行口座からお金を移せるので、わざわざチャージに行く必要がありません。オートチャージつきのICカードをまだ持てない学生や、これ以上クレジットカードを増やしたくない人にとって、とても便利。
そして何よりも大きなメリットが、デジタル化によって、これまで散逸されていたデータを収集分析でき、更なる便利が提供できること、だと思います。
デジタルを最大限活用してリアルを飲み込む
わかりやすい例がシェアバイクです。シェアバイクは当初は町中に大量に投入され、道端を埋め尽くしていましたが、どこからどこまで乗ったか、いつ乗ったかといったデータが集積することでバイクの最適配置がされるようになり、道にあふれることはなく、でも使いたい時には必ず使えるような台数が配置されるようになっているそうです。(まだ多いような気もしますけど…)
また、様々なデータとサービスがプラットフォームに集まることで、更なる利便性が提供される流れになっているそうです。例えばたくさん歩いたりシェアバイクに乗ったりしている人はポイントが溜まって、医薬品やサプリを買う時に割引として使うことができたりするとか。
ビービットでは中国で起きているこのような動きを、以下のような図で考えています。
キーワードは、以下の2つ。
- デジタルオーバーラッピング
- OMO(Online Marges Offline)
ポイントはオンラインとオフラインを分けるのではなく、一体として捉え、これをオンラインにおける戦い方や競争原理から考えること。
このあたり、また事例も出しながらお伝えできればと思います。