ある派遣会社のウェブサイトでは、「登録会の予約」というCVと「オンライン登録」というCVの2種類のCVを用意していました。
正式な派遣スタッフとしての登録には登録会への参加が必須で、「登録会の予約」がもっとも大事なCVポイントでした。
しかし、いきなり登録会場に来ることに抵抗感のあるユーザにも接触をするため、「オンライン登録」という中間CVポイントを用意していました。オンラインで連絡先情報などを登録してもらうことで、オススメの求人を電話で紹介し、登録会への参加に促す、という仕組みです。
同一セッションで2種類のCVをするユーザ
そのような位置付けにも関わらず、なぜか一回の訪問で「登録会の予約」と「オンライン登録」の両方にCVするユーザが一定数いました。
「どちらかに登録してね」とサイト上で説明をしているにも関わらず、なぜこのようなユーザがいるんだろうと担当者は不思議に思いました。
そこで、担当者は、ウェブサイト上の各ユーザの行動を可視化できるツール「USERGRAM」を確認することにしました。
2種類のCVを一気にするユーザの行動とは

2種類のCVをするユーザは、まずは登録会の予約をしていました。
その後、マイページへの「ログイン」ボタンをクリックするものの、エラー画面が表示され、迷った挙句に「オンライン登録」をしているという行動でした。
担当者はピンと来ました。
サイトの仕様がユーザに混乱をもたらしていた
「登録会予約」のフォームで、ユーザはメールアドレスなども入力するため、「登録会予約」をした後、トップページで「ログイン」というリンクを見た時に、「自分はログインができる」と考えたのだと想定されます。
しかし、実は、このサイト上の「マイページ」は登録会でスタッフ登録をしないとログインできないものでした。
そのため、ユーザはログインしようにもエラーが出てしまったのです。

そこで、ユーザは「オンライン登録を行ったらいいのかな...?」と誤解し、オンライン登録を行ったのではないかと推測されました。
担当者は取り急ぎ、「ログイン」ボタンの付近に、誰が「ログイン」をできるのか、という説明を追記し、ユーザが不要に混乱しないようにしました。
「不思議なCV」がなぜ起きているのかUSERGRAMで確認を
サイトの作り手としては理解がし難いユーザのCVや不思議な行動はどのサイトにもあるものです。
それがなぜ起きているのか、が分かると、ユーザの不要な混乱を減らすことができます。
心当たりのある方は、是非一度、そのようなユーザ1人1人の行動履歴をUSERGRAMで確認してみてください。