チェーン展開をしている飲食店やホテル、学習塾などのウェブサイトでは、各店舗のページまたはウェブサイトを持っていると思います。
そしてその多くの場合、同じテンプレートにコンテンツを流し込んで各店舗のページを作成しているのではないでしょうか。

ある高級飲食チェーンのウェブ担当者は、この点に課題意識を持っていました。
「ビジネス街、百貨店の中、レジャー施設の近く、と立地が随分と違うのだから、顧客の店舗利用シーンも、もちろん店舗によって異なる。それなのに、A店とB店のウェブサイトが似たようなコンテンツ配置をしているままでいいんだろうか。」
もちろん、サイトのシステム開発及び運用の効率化の観点で、全く違うテンプレートにすることは非現実的です。ただ、システム制約の範囲内で、サイトをより良くしたいと担当者は考えました。
店舗によって「真っ先に確認される情報」が異なっていた
担当者は、ユーザの各店舗ページ内でのコンテンツ閲覧順序が分かると、店舗ごとの情報の優先順位が見え、カスタマイズすべきポイントや改善点が見えてくるのではないかと考えました。そこで、ウェブサイト上の各ユーザの行動を可視化できるツール「USERGRAM」で店舗ごとの見られ方を確認しました。
すると、担当者の予想通り、店舗によってユーザが「真っ先に確認する情報」が異なりました。

例えば、レジャー施設の近くの店舗のウェブサイトでは、多くのユーザが真っ先に「よくあるご質問」ページと「アクセス」を確認していました。おそらく、やや高級なレストランとして有名であることから、レジャー施設帰りに子どもを連れて行っても大丈夫なのか、ということが気になっていたのではと推測されました。実際、店舗へもその問い合わせが多くあると聞いたことがありました。また、レジャー施設から子どもを連れて行くのに便利な近さなのか、ということも確認されているのではないかと考えられました。
一方で、ビジネス街の店舗では、「コース」と「内装」が確認されていました。おそらく、ビジネス会食やデートで利用するにあたって、「外さないか」「費用感に問題がないか」といったことを気にするユーザが多いのだと想定されました。
店舗に応じてコンテンツの拡充を
担当者は、ユーザ行動を見て、各店舗ごとに拡充すると良さそうなコンテンツを思いつくことができました。
「レジャー施設の店舗に子連れで行ってよいかを気にする子連れのユーザということは、ベビーチェアや子ども用食器の有無、おむつ交換スペースのことなども『よくあるご質問』ページで伝えられると良さそう。」
「ビジネス街の店舗では、料理の写真を拡充したり、個室の有無などを伝えることも、顧客にとって店選びの際の安心感につながるんじゃないかな。」

全店舗共通で最低限のコンテンツを流し込んでいたウェブサイトですが、店舗ごとのコンテンツ拡充ポイントを捉えた上で、サイトの改善に取り組むことができるようになりました。
貴社の場合は店舗による違いはありそうでしょうか。是非一度、USERGRAMで確認してみてください。