ポイント
・仮説の精度を高め、改善を積み重ねることで成約率が向上、
あるホテルでは過去三年で最高値に
・コールセンターや現場とのコミュニケーションが、
実際のユーザ行動をベースにすることで円滑化・活性化
・導入前は一人ひとりのデータを見ることがイメージしきれていなかったが、
実際にデータを見ることで多くの思い込みに気付くことができた
ホテルグリーンプラザ様
-
- 営業部営業課
- 小寺 英行 様
全国9箇所のホテルや多くのレジャー施設を運営するリゾートホテルブランド、ホテルグリーンプラザ様でウェブ施策全体の統括を担当されている小寺 英行氏に、USERGRAM導入前後の変化について話を聞いた。
「USERGRAMを使いはじめて一番実感していることは、サイト改善の仮説の量が増え、質も上がっているということです。もともと仮説の導出というところに課題を感じていたので、期待していた効果が出ていると言えますね。数字にも成果が表れていて、今夏のあるホテルの成約率は過去3年で最高、そのエリアの平均成約率のおよそ1.5倍と好調です。」
具体的にはどんな考え方で、どんな改善を行ってきたのだろうか。
「お客様は何か知りたいことがあるからサイトにいらっしゃるわけですよね。そこで、サイトに流入して最初に見る数ページが一番気にしていらっしゃることだろう、ということは想像がつきます。USERGRAMなら一人ひとりのお客様のページ閲覧の順番がそのまま表示されますから、簡単に確認できます。そういう意識で見てみると、レジャー施設併設型のホテルとそうではない滞在型のホテルでは、お客様が最初にご覧になるページが明らかに違いました。特に顕著なのは食事のご案内ページをご覧になるタイミングです。」
「施設併設型のホテルでは、食事はご覧にならないか、ご予約確定後にご覧になるお客様が多くいらっしゃいました。こういったホテルでは、いくら我々が食事の良さを知っていただいてご予約につなげたい、と思っていても、そもそもあまりご覧いただけていないページですから、優先的に改善をしてもあまり効果がないだろうとわかります。それよりはむしろ、施設情報やチケットと宿泊のセットプランのご案内を丁寧にした方がいい。従来のアクセス解析では、こういった改善方針は出せなかったと思います。」
この他にも、改善した例はあるそうだ。
「USERGRAMを見ていて、予約フォームの途中で離脱して、また戻って、という動きをされているお客様が一定数いらっしゃることに気付きました。皆さん同じところで離脱されているので、何かあるのだろうと思っていたところ、コールセンターの担当者と話をしていたときに解決のヒントが見つかりました。コールセンターによく頂くご質問の中に、予約フォームに表示される文言に関係するものがあったのです。問題の文言を削除したところ、フォーム途中の離脱は減りました。改善しているということも、USERGRAMで確認することができました。」
他部署からの提案や依頼に対しても、ユーザの実際の行動をもとに判断して回答できるようになったという。
「よくあるのは、何かの情報をトップページに載せてほしい、という要望ですね。他部署から見ればトップページに載せればお客様の目に入るだろう、と考えてのことだと思うのですが、そこに載せるのが最適とは限らない。そういう時には、USERGRAMで実際のお客様の行動を見せながら、トップページはこういうタイミングで見られているからこの情報を載せても意味がない、それよりもこのページに置いた方が…という話をすることができます。また、宿泊当日のランチ情報をサイトに載せたらお客様に見ていただけるだろうか、といった他部署からの具体的な相談にも、事実を確認した上で回答できるようになりました。」
サイト改善に、他部門とのコミュニケーションに、とUSERGRAMをご活用いただいているようだが、これも導入前からの意図通りだったのだろうか。
「いえ、そんなことはありません。むしろ導入前のイメージと実際に使い始めてからの印象はかなり違います。使い始める前は、数千人のご予約がある中でお客様を一人ひとり見ていくということが、しっかりイメージできていたわけではありませんでした。実際にデータを見始めても、どんな方を選んで見たらいいのかわからず戸惑うこともありましたが、ビービットさんから“とりあえず30人見てみてください”と言われてその通りにしているうちに、なんとなく肌感がついたというか、お客様像がイメージできるようになってきたのです。」
「実際のお客様の行動を見ると、これまでなんとなく“こうだ”と思い込んでいたことの間違いに気付けますね。例えば、当社のサイトでは宿泊予約ができるので、サイト訪問はご予約前の検討タイミングだろうと思っていたのですが、実際にはご予約後にサイトをご覧になっているお客様も多くいらっしゃるのです。宿泊当日にサイトをご覧になる方も、想定より多いこともわかってきました。」
発見点を施策につなげるために、新しい枠組みの構想もあるそうだ。
「USERGRAMを見て気になったことを事前にまとめておいてチームミーティングの場で共有する、ということをやろうと思っています。現在はそれぞれが担当している媒体ごとに、どうしても接点最適化に考えが行きがちですが、行動データを見ながら話をすることで、お客様目線での全体最適化を目指したいな、と。他にも、とても簡単に使えるツールなので、ウェブのチームだけでなく、現場のサービス開発担当にもUSERGRAMを見てもらうようにしようか、という話も出ていますよ。」
お話、ありがとうございました。USERGRAMのデータから、着実に改善を積み重ね、数値成果にもつながっているとのこと、我々としても嬉しい限りです。ホテルグリーンプラザ様の今後益々のご発展をお祈りしております。
-
- ホテルグリーンプラザ
- 軽井沢、箱根など全国9箇所のホテルと、スキー場・遊園地・ゴルフ場といったレジャー施設も運営している。