インサイトとは?
マーケティングにおいてよく使われる用語「インサイト」。
この「インサイト」は大変重要なキーワードですが、日常生活ではほぼ出て来ない横文字ということもあり定義が曖昧なまま用いられている場面も多々あります。
インサイトとはもともと洞察力を指す英単語ですが、マーケティングにおいてはおおよそ「消費者(顧客)が商品を購買するうえでの動機や検討の過程」を指します。この意味において、顧客インサイトやユーザインサイトなどの単語としても頻出します。
また、マーケティングにおけるインサイトとは「顧客の属性や価値観」や「心理」のみを指す言葉ではありません。
インサイトは「顧客が置かれている状況がなにか」についての観点を含む必要があるのです。
詳細については書籍『UXグロースモデル』にて解説していますが、「ユーザ心理」への向き合い方について下記の記事にて抜粋いたしましたのでぜひ御覧ください。
これまでの顧客理解ではUXは作れない?【『UXグロースモデル』から限定公開!】
では、「インサイト」が指すのは「顧客の状況」であるとして、なぜマーケティングでインサイトが重要なのかについても解説します。
インサイトをもとにした改善がビジネス成果につながる
なぜインサイトが重要であるかというと、ビジネス成果とも密接に関連しているためです。
例えば、事業戦略の策定プロセスは「どのような提供価値のサービスにするか」を規定することから始まり、STPの枠組みで考えていく手法が一般的です。
S:どのセグメンテーションにおける、
T:どのような特徴を持つターゲットに対して、
P:どのようなポジショニングのサービスを設計するのか
このSTPを定めるためには、当然顧客のインサイトの把握が必要です。
それというのも、「置かれている状況」と「サービスの提供価値」の間には、下の図のような因果関係が存在すると考えるからです。
「このような状況に置かれているから、こういう価値が必要になる」という因果です。
こうした理由から、企業側が仮定するユーザインサイトは「顧客が置かれている状況がなにか」についての観点をふまえる必要があると考えています。
状況ターゲティングについての詳細は、下記の記事にてさらに解説しております。
アフターデジタルとビービット(4) – 「状況ターゲティング」の戦略策定プロセスにとっての意味合い
インサイトを把握するためには分析が必要
どちらの手法を用いるにせよ、重要なのはUX(ユーザ体験)の観点からの解釈と仮説です。
なぜなら、インサイトを踏まえた改善とはすなわちUXの向上を実現することと同義であり、その実現が成果向上につながるからです。
そして、デジタルマーケティングにおいても両者の手法は偏り無く併用することが求められています。
というのも、1.の手法のみでは顧客インサイト(ユーザの状況)の精緻な仮説立案が難しく、2.の手法のみでは各状況のユーザセグメントごとのボリュームや改善インパクトが推算しづらいため、両方の手法でそれぞれの弱みを補う必要があるためです。
調査の結果から、恣意的ではない適切な解釈を導き出すためのノウハウについて、弊社ではUXリサーチというサービスにて実践と伝達を行っています。
UX改善はインサイトに基づいて実施するべきですが、「インサイト」はどこまでいっても仮説であることは免れません。だからこそ、その仮説の妥当性を高めていくことが分析において求められているのです。
ユーザインサイトの把握ならUXリサーチ
弊社は幅広いデジタル領域をコンサルティングで支援してきました。
ユーザ行動観察調査で培った知見をもとに、近年は特にデジタルにおけるユーザの行動データ分析に注力して各企業様の支援を行っています。
インサイトの把握についてお困りの方は、ぜひUXリサーチをご検討ください。
市場調査やインタビュー調査とは違い、ユーザインサイトのみならず顧客体験まで行動観察で明らかにします。
顧客の実際の行動からモデル化を行うことで、課題把握や改善案の評価・示唆出しが可能です。
まずは気軽にお声掛けください。貴社ユーザのLTV最大化のための体制づくりなどについても、どのような支援が考えられるかのご相談から対応いたします。
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