エンゲージメントとは?
昨今、デジタルマーケティングにおいて「エンゲージメント」という単語がしきりに叫ばれるようになりました。
デジタルマーケティングでエンゲージメントという言葉が用いられる際に指すのは「顧客を惹きつける力」や「顧客との関係性やつながり」のこと。
自社のサービスへの定着率を高め、LTV(顧客生涯価値)を最大化するために必要とされるのが、このエンゲージメントを向上させることです。
ユーザがそのサービスに定着する度合いを指して「顧客エンゲージメント」「ユーザエンゲージメント」と呼称することもあります。
このエンゲージメントを指標として重視するマーケティングを指してエンゲージメントマーケティングと呼ぶ企業も増えました。
このように、デジタルに限らず、マーケティング全般において顧客エンゲージメント向上の重要性が高まっている背景にはビジネス構造の変化があります。
この記事ではその背景の解説からエンゲージメントの高め方まで解説します。
エンゲージメントマーケティングの隆盛
日本企業のエンゲージメントマーケティングへの取り組みをご紹介する前に、エンゲージメントマーケティング隆盛の背景から見てみましょう。
たとえば弊社では、2019年に開催されたエンゲージメントについてのセミナーにおいて、エンゲージメントを重視したOMO時代のビジネスモデル先進事例として中国企業を紹介しました。
「令和世代の顧客体験とエンゲージメントとは? UX・CX・マーケのプロ 3人が語ったこれからの体験設計」2019年 4月 22日開催 月例セミナーレポート第 1部 イベント報告
しかし、2022年の現在、日本においてもOMOの流れは加速し、いまや迷いなく「アフターデジタル社会」と呼べる様相を呈しています。
この社会構造の変化に伴い、もはやエンゲージメントマーケティングは先進事例としてではなく、日本企業においてもスタンダードな手法であるとの見方が定着しつつあります。
それというのも、アフターデジタル化が進展すると、「焼畑型」や「刈り取り型」とも言われてきた従来の新規獲得偏重型モデルではなく、LTVを重視したモデルの重要性が高まるからです。
その最大化に資するのが顧客エンゲージメントなのです。そして、顧客エンゲージメントにおける最も重要な要素がUX(ユーザ体験)です。
たとえば、日本においてエンゲージメントマーケティングを推し進めている代表的な企業がKDDIです。
KDDIグループは2022年5月13日に、事業環境の変化に迅速に対応しながら、経済発展と社会課題の解決を両立するレジリエントな未来社会に向けて「KDDI VISION 2030」を掲げ「中期経営戦略 (2022-2024年度)」を策定されました。
そのうち「ステークホルダーのエンゲージメント向上」は新重要課題 (マテリアリティ)として挙げられています。
そんなKDDI様における、エンゲージメント向上を目指しての改善の一例として、UX改善によってau PAYのチャージ率を向上させた事例をご紹介します。
スマホ決済アプリ「au PAY」で新しい文化の創造を目指すKDDI。チャージ率アップに成功し、データ起点のUXグロースを社内浸透させた方法
取り組みで特筆すべきは、グロースチームを発足し、クイックな改善のサイクルを高速で回したこと。
改善案の企画には行動データを分析して得られたユーザへの洞察を活かし、アプリを大幅に刷新しました。
これにより、チャージ率アップを実現することができました。
弊社ではKDDI様のエンゲージメントマーケティングへのお取り組みの一端をUXの観点から支援してきました。
弊社のこれまでのユーザ体験改善への知見とノウハウを体系化した支援サービスがUXグロースOpsです。
プロフェッショナルによる分析と本気の伴走支援により、もっとユーザに愛されるサービスへの体験設計をお手伝いします。
このように、顧客体験・タッチポイント・データのトライアングルで良いループを設計できれば、より良い顧客体験を創出し、エンゲージメントを向上させていくことができます。
現在、いろんな企業がユーザーのタッチポイントを確保しようと取り組んでいるため、UX(顧客体験)が悪ければユーザーはすぐに競合へと離反してしまいます。そうなればデータも集まりません。
良いUXを提供することでユーザが使い続けてくれ、結果として属性データも行動データも大量に集まります。データが多ければお客さんの文脈をふまえたサービスを実現しやすくなりさらに体験を改善できます。
UXがより良くなれば、タッチポイントの滞留が長くなり企業と顧客の関係が深まっていきエンゲージメント向上につながっていきます。
このトライアングルのループを実現できるよう、企画と分析の連携を高めていくことが必要なのです。
エンゲージメントの向上ならUXグロースOps
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