多くのECサイトで、ビッグワード検索で流入するユーザのCVRは、指名系のキーワードでの流入に比べてCVRが低い状況が多々あります。
ビッグワードで検索するユーザは、まだどんな商品にするか決めていない場合が多いため「CVRが低くてもしょうがない」場合もあるでしょう。しかし、本当に現状以上にはCVRを改善できないのでしょうか。
ビッグワード「ダイエット」で流入するユーザのサイト内での行動を踏まえ、LPを改善した事例を紹介します。
流入キーワードによってユーザ行動が異なったダイエットサプリのECサイト
あるダイエットサプリのECサイトの事例をご紹介します。
このサイトではCVを稼ぐ、大きく2つのリスティング広告のキーワード群がありました。
「ダイエットサプリ」などサプリ系のキーワード群と、
「ダイエット」「痩身」などのビッグワードのキーワード群です。
CVを生み出すのはこの2つなのですが、サプリ系での流入のCVRに比べてビッグワードでの流入は、ボリュームが多い割にCVRが低く、もったいない状態でした。
検索キーワード「ダイエット」で流入したユーザは「特定商取引法による表示」ページを確認していた
そこで、ウェブサイト上の各ユーザの行動を可視化できるツール「USERGRAM」を使って確認してみたところ、この二つのキーワード群ではユーザ行動が異なることが分かりました。
「ダイエットサプリ」系のキーワードで流入するユーザは、一週間程度かけて、何度かLPを閲覧し、最終的に購入するという流れでした。
一方、「ダイエット」などのビッグワードで流入するユーザは、一ヶ月程度かけて、何度もサイトに来訪。LPだけではなく、本体サイトを回遊してよくある質問を閲覧したり、LPのフッターから「特定商取引法による表示」ページを閲覧していたのでした。
「ダイエット」ユーザはサプリに懐疑心を抱いているのではないか
ここからは発見を元にした考察ですが、おそらく、ビッグワードで流入したユーザは、「痩せたい」というニーズはあるものの、その手段については決めておらず、「サプリって本当にダイエットに効くのだろうか」「痩せるにはやっぱり運動が重要では...」とサプリの効果自体を不信に思っている状態だったのでしょう。そのために、よくある質問や特定商取引法による表示など様々な情報を閲覧し、サプリって効果があるのか、信頼できる会社なのかなどを閲覧していたのだと考えられました。
それに対して、現行のLPでは、競合サプリとの成分の違いを主に訴求していたので、「サプリって大丈夫なの?」ということが気になるユーザの関心と食い違っていたのです。
同様に、リターゲティング広告のバナークリエイティブも「今なら20%OFF」などを訴求していましたが、不信を解消できていない状態では20%OFFは響かなかったのでしょう。
検索キーワードによるユーザの関心に応じて最適なコミュニケーション設計を
競合のサプリと比較検討している「ダイエットサプリ」系のキーワード群で流入するユーザと、サプリ自体の効果をまだ疑っている「ダイエット」などのビッグワード系のキーワード群で流入するユーザ。
この2タイプのユーザに対しては、それぞれ異なるコミュニケーションが必要です。
このECサイトの広告担当者は、ビッグワード系のキーワード群で流入するユーザに対してはまずは「サプリ」への疑念を解消できるようなLPやリターゲティング広告のクリエイティブを用意しました。また、LPには会社情報や大手メディアでの掲載情報など、ユーザの信頼を得られるようなコンテンツを掲載することにしました。
このように、「CVRが低いけど、どうしようもない」と諦めている流入キーワードであっても、CVR改善の余地はあり得ます。
貴社のサイトにおける、キーワード群によるユーザ行動の違いを一度観察してみてはいかがでしょうか。
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