第21回 ウェブサイトにおけるブランドって何?
今回は真にブランドの高いウェブサイトとは何かを考えます。
ブランド = 綺麗なデザイン?
先日、とあるデザイン会社の社長さんと話をしていると、「うちが作るウェブサイトは世界一ユーザビリティが低いんですよ。でもまあ、うちはブランド屋ですからね。」とおっしゃられました。もちろん、謙遜されて発言されたことなのですが、それでも似たような内容の話を聞くことは多くあります。
一体、ウェブサイトにおけるブランドとは何なのでしょうか?ブランド価値向上が目的の場合、ユーザビリティが低い、つまり使い勝手が悪くても良いのでしょうか?
ブランドはユーザの体験から生まれる
ウェブサイトにおけるブランドは、ユーザがそのサイトでどのような経験をしたかで決まります。つまり、単純にデザイン性だけではなく、総合的に質の高いサービスが提供されているかどうかで判断されるのです。
これは、ウェブサイトを訪問するユーザは何らかの目的を持っていることに起因します。
テレビCMや街角のポスターでは、まず認知されるためにユーザの興味を引き、見てもらうための動機付けを行わなければなりません。そのため、奇抜なデザインなどの何らかの施策が必要となります。しかし、ウェブでは既にそのサイトに興味を持っているユーザが訪れる可能性が高いので、重要になるのはユーザの要求に対応する情報であり、サービスになります。
この特性を見落とすと、いたずらに目を引くことに注力し、情報認識を妨げるようなデザインを行い、総合的なサービスの質を落としてしまう結果に陥ってしまいます。
ブランド形成の必須項目
ここで、ブランド形成に必須となる良い経験を与えるための要素を列挙します。
- デザインによる印象 (デザイン性)
- ユーザが目的にしている情報、サービスの提供 (必須コンテンツ)
- ユーザの期待を超える情報、便利な機能などの付加価値 (付加価値コンテンツ)
- 上記情報を簡単に、ストレス無く見つけ、利用できる (使い勝手)
真にブランドの高いウェブサイトとは、デザインだけでなく、また使い勝手だけでもない、上記項目を満たす「ユーザに良い経験を提供できるウェブサイト」ではないのでしょうか?
以上