第4回 ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)の必要性
公開直後のウェブサイトが、高いユーザビリティを実現しているケースは稀です。しかし、公開前にユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)を行うことにより、問題点の事前の修正が可能となります。
公開直後のウェブサイトは不完全
公開直後のウェブサイトが、高いユーザビリティを実現しているケースは残念ながら稀です。もちろん、汎用的なユーザビリティガイドラインに従ったウェブサイト設計を行うことにより、ユーザビリティの底上げを行うことは可能です。
しかし、企画/設計段階において、そのウェブサイト特有のユーザ像を明らかにし、その行動特性までを把握することは困難です。
「公開直後のウェブサイトが、完全なものであるはずはないので、サービス開始後にユーザからのフィードバックを受けてユーザの行動特性を把握していき、ウェブサイトを日々改善していけば良い。」といった声もしばしば耳にします。
もちろん、こういった改善作業を続けることで、ユーザが満足できるレベルまでウェブサイトを引き上げることも可能でしょう。
ユーザからのフィードバックだけでは不充分
しかし、上記のユーザからのフィードバックによる改善方法には、下記の3つの問題点が考えられます。
- 1. 一度失ったユーザは永遠に戻ってこない
- 2. 永遠に戻ってこないユーザの声を聞くことは出来ない
- 3. 受身の姿勢ではユーザの行動特性を洗い出すのに時間が掛かりすぎる
ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)の有効性
上記3つの問題点を克服するには、ウェブサイトを公開する前の段階で、実際のターゲットユーザを使用して実施するユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)が有効です。
サービス公開前に、実際にターゲットユーザにウェブサイト使用してもらうことにより、思わぬ使い勝手の悪さや、デザイン上、構造上の問題点を発見でき、これらの問題点の事前の修正が可能となります。
その結果、公開後に発生する売上の機会損失や、サイトのロイヤリティの低下を最小限に食い止めることが可能となるのです。
ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)を行うことにより、リリース時期は遅れ、費用も膨みます。しかし、ユーザビリティの低いウェブサイトを公開した場合に被る損失に比べれば、投資に値するでしょう。
ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)の具体的な実施方法や、ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)の抱える問題点は、次回以降に紹介したいと思います。