ウェブ広告の運用をしていて、特に何も変えていないのに、急に数値が上がったり、下がったりして、右往左往したことはありませんか。
今回は広告流入からサイト内のユーザ行動の流れを観察することで、数値アップの原因がわかった事例をご紹介します。
ある日突然アフィリエイト経由のCVRが上がった派遣登録サイト
ある人材派遣会社のサイトでは、ウェブサイトで会員登録をしてもらうことを中間CV、その後、来社して派遣社員として登録してもらうことを最終CVと定義し、目標を追っていました。
ある日、アフィリエイト経由のCVR(サイトに来訪したユーザ数に占める、最終CVである派遣登録を行うユーザの率)がなぜか分からないけれど上がる、ということが起きました。
特に出稿先を変えてはおらず、また出稿先での掲載原稿を変えたということもなかったので、集客担当者は不思議に思いました。
「自分の知らないところで、どこかのサイトの掲載方法が変わったのかな...?何が原因なんだろう?」
担当者は、しらみつぶしに出稿先の掲載をチェックしていきました。
しかし、どの出稿先も、何一つ変わっていませんでした。
CVRが上がった原因はサイト内にあった
サイト担当者にたまたまこの話をしたところ、ウェブサイト上の各ユーザの行動を可視化できるツール「UXチームクラウド USERGRAM」で確認してみることにしました。
アフィリエイト経由のCVRに変化があった前後で、ユーザの行動の違いを見てみました。すると、変化前のユーザは会員登録後にそのまま離脱しているのに対し、変化後のユーザは会員登録後に「来社したら紹介してもらえる求人例」というページを見ていたのでした。
「なんでアフィリエイト経由のユーザは会員登録後に、求人例を見ているの?」
集客担当者は、サイト担当者に尋ねました。
「アフィリエイト経由のユーザに限っているつもりはないけど、いまちょうど完了画面のABテストをやってるんだよ。Aパターンでは、完了画面で求人例のページに強く誘導してるんだよ。」
集客担当者は知らなかったのですが、サイト担当者がABテストを実施していたのです。
全体ではABテストで有意差は出ていませんでした。
しかし、アフィリエイト経由に絞ると、ABテストでは有意差があるほどに、効果が出ていたのでした。
おそらく、アフィリエイト経由のユーザは、ランキング形式の比較サイトで上から順に会員登録だけを各サイトで済ませるという行動をとっていたのでしょう。さらに詳しくUSERGRAMを見たところ、ABテスト以前では、アフィリエイト経由のユーザは求人情報をほとんど見ず会員登録だけをするという行動が大半でした。それが、今回のABテストで完了画面から求人情報を目にすることとなり、これによって来社登録の意欲が喚起されたのだと想定されました。
一方リスティングなどその他の流入経路のユーザは、求人を閲覧した上で会員登録を行うという行動が多かったので、ABテスト前後で特に数値が変わらなかったのでしょう。
サイト担当者は、この良い変化に気づかず、そのままこのABテストを終了するところでしたが、たまたま気づくことができ、この施策を継続することとなりました。
理由が分かれば成果を維持・向上できる
集客を担当していると、どうしても「どの媒体に」「どのような広告を出稿するか」に頭がいきがちですが、数値変化が生まれる理由は、出稿先ではなくサイト内にあることもあります。
どうして効果が出たのか、あるいは下がってしまったのか、分からないまま闇雲に施策を打っているという集客担当の方がいらっしゃれば、USERGRAMでサイト内に原因がないか探ってみることをおすすめします。
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