高級レストランに絞った飲食店検索サイトや、プレミアムな旅行プランに絞ったサイトなど、「ハイグレード」を特徴とするWebサイトは多くあります。
これらのサイトの利用者は、どのような人だと思いますか?
高所得者をターゲットにしていた高級なホテルへの予約ポータルサイト
ある高級ホテル予約ポータルサイトでは、「このサイトのターゲットは高所得者だ」「予算には余裕があり、価格をほとんど気にしない人だろう」と考えていました。
そのため、主に高所得者が利用しそうな媒体、例えば医師が見るサイトや経営者向けのメディアに絞って広告出稿を行っていました。
料金の絞り込み機能を駆使する「高級ホテル予約ポータルサイト」のユーザ
しかし、このサイトでは流入数も、利用者数も、伸び悩んでいました。
そこで、Webサイト上の各ユーザの行動を可視化できるツール「UXチームクラウド USERGRAM」を使って確認してみたところ、予想に反するユーザ行動が見られました。
元々の仮説では、サイトを利用するのは「予算には余裕があり、多少高くてもいいホテルに泊まりたい人だろう」と考えていましたが、実際のユーザは、プラン価格と部屋、レストランページを何度も見比べたり、価格の下限額を少しずつ上げてホテルを検索するなど、価格について入念に確認している行動が見られました。
つまりユーザは価格をほとんど気にしないどころか、「しっかり価格を気にする」ユーザだったのです。
「高級ホテル予約ポータルサイト」のユーザは必ずしも高所得者ではなかった
たしかに、担当者が自身の経験を振り返っても、普段の旅行や出張の際は格安のビジネスホテルを使っていますが、結婚記念日や奥さんの誕生日には、価格を気にしつつも高級ホテルを利用したことがありました。
このサイトのターゲットは「高所得者」なのではなく、「特別な宿泊を検討している人」なのではないか、と担当者は考え直しました。
そうだとすれば、広告出稿先を「高所得者が利用しそうな媒体」に絞る理由はありません。媒体を広げて広告を出稿することにしました。
また、広告バナーのクリエイティブも、これまでは「高所得者」をイメージしたものにしていましたが、「特別なシーン」の利用を促す方針に変更しました。
当然視している「思い込み」は誰しも持っているもの。
実際の「ユーザ行動」を観察すると、「思い込み」とのギャップに気がつくかもしれません。
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