第7回 動画の使用?ちょっと待って!

ウェブ用の動画コンテンツを品質を落とさずにファイルサイズを圧縮するノウハウをまとめました。

ブロードバンド時代の到来で、動画コンテンツがウェブサイトでも日常的に利用されるようになってきました。

動画は静止画像に比べて動きや音声を伝えることができるため、より多くの情報を伝えたい時に、非常に有効な表現手段となります。

しかし、一般回線を使用するインターネットユーザがまだまだ多く存在することを忘れてはいけません。

無配慮な動画の使用は、ユーザビリティを著しく低下させる原因となります。動画は、画像やテキストに比べてファイルサイズが大きくなるため、どうしてもダウンロードに時間がかかってしまうからです。

そこで、ウェブ用に動画を制作する場合に、品質を落とさずにファイルサイズを圧縮するノウハウをまとめました。

撮影時の注意点

他のメディアで使用した動画コンテンツを使いまわすのは、質の低下およびファイルサイズの増大を招く原因となります。ウェブ用の動画コンテンツを制作する場合、ウェブの特性を理解した上で新規に撮りなおす必要があります。

1. 被写体は可能な限り大きく
ブラウザで動画を表示する場合、表示領域が限られてしまい表示できるサイズがどうしても小さくなってしまいます。そのため、できるだけ目的の被写体のみを撮影し、小さくても何が映っているか判断できるようにします。

2. 背景は単色で
圧縮率を高めるために、会見やインタビューなどの背景は単色にします。

3. カメラは固定して
三脚等を使用してぶれを無くすことにより、コマとコマとの差が少なくなり圧縮率が高まります。

4. 激しい動きを避ける
ズーム等の激しい動きを表示するためにはフレームレートを上げる必要があり、結果としてファイルサイズが増大してしまいます。そのため、できる限りズーム等の使用は控えるようにします。

5. 適切なエンコーディング
ターゲットユーザの接続環境を想定し、適切な画質や大きさを決定してエンコードを行います。

適切な動画形式

一般的に使用されている動画の形式は、数種類あります。どの形式にもそれぞれ特徴があります。そのため、ターゲットユーザや、ビデオやアニメーションといったコンテンツによって適切なものを選ぶことが重要です。

RealSystem
初めからウェブ用の動画形式として作れられているので、画質はあまり高くありませんが、小さいファイルサイズで動画を保存することができます。

QuickTime
バージョン4では動画のみでなくインタラクティブな要素も盛り込む事が可能となりました。MacOSでは標準規格です。
Windows Media
Windowsにおける標準規格です。圧縮率が比較的高いのが特徴です。

MPEG
QuickTime、Windows Media の両プレイヤーで再生できるため、ユーザの環境を気にしなくて良いのが大きな特徴です。

撮影時の注意点をおさえ、適切な動画形式を選択すれば、ユーザビリティを損なわない動画を制作することができます。

しかし、全ての情報を動画化すれば良いというわけではありません。やはり、ユーザにとってその情報が動画である必要があるのかどうかを見極めることが、一番大切なのではないでしょうか。