2020.12.22 Tue.

第52回-「女性には●●が有効」その定石、本当にあっている?コンテンツのCV貢献から真のターゲットをあぶり出した事例

ある求人サイトでは、デジタルマーケティングにおいて定石といわれる手法を参考にし、女性向けとして不安払拭コンテンツを運用していました。 しかしながら、実際のユーザ行動を確認したところ、想定とは異なり不安払拭コンテンツ経由でCVしていたのは男性の方が多いことがわかりました。 この発見をもとに、サイト内の改善を実施。その内容とは?

「女性向けには不安払拭コンテンツの拡充が重要」という定石を参考にしていたコンテンツ

この求人サイトではユーザからの求人応募数の増加を目指して、面接対策についてなどの各種コラムや記事コンテンツの拡充を進めていました。
コンテンツの企画に際して、自社商材や競合他社の研究はもちろん、デジタルマーケティングの基本的な考え方や定石と言われる手法を参考にしていました。
特に、「フォロー体制」「不採用のあとに再応募する際のコツ」のような、不安払拭コンテンツに注力していたのです。

そんな中、さらにCVを伸ばす改善案の示唆を得るため、不安払拭コンテンツを経由して求人に応募したユーザの行動を観察しました。

すると、不安払拭コンテンツのうち、「不採用のあとに再応募する際のコツ」という記事を経由してCVしていたユーザのほとんどが、女性ではなく男性であるということが判明したのです。

この記事は元々「女性のCVを後押しするには不安払拭コンテンツが効果的」という定石とも言われる一般論を基に作成したものでしたが、このコンテンツを利用するユーザについてはあてはまらないようでした。
女性をターゲットに作成していたコンテンツが、実は男性に効果を発揮しているのであれば、正しいターゲット設定をするとさらに効果が増すのでは?
担当者の方はそのように考え、状況をさらに細かく分析しました。

ユーザ行動を深掘りすることで原因の特定へ

この不安払拭コンテンツを経由してCVしたユーザは、多くが40代以上の男性で、社会人への待遇が手厚い特定の系列企業の求人へエントリーしている、というCVの偏りも見られました。
また、過去にCVを複数回行っているユーザーが多く、
そのユーザの中でも、さらにCVを重ねるユーザーと、CVも流入もしなくなるユーザーへと二極化している様子も見受けられました。

分析をもとに、コンテンツ・配信セグメント・Web接客ツールの改善を実施

「過去にCVを複数回行っているということは、不採用経験が多いということではないか。」
「また、そもそもの母数として不採用経験者に男性が一定多いのではないか、不採用経験を積むうちに応募を諦めてしまう人とそうでない人が存在するのではないか。」

ユーザの行動からそう分析した担当差は、以下の改善施策を実施しました。

1.Web接客ツールの活用
応募を諦めてしまうユーザを減らすために、
不採用経験が複数回あると考えられる応募回数が増えてきたユーザーに対して、Web接客ツールを用いて不採用者向け記事(不安払拭コンテンツ)を表示するようにしました。

2.若年層向けの不安払拭コンテンツの追加
この不安払拭コンテンツでシニア層が多く見受けられた原因として、記事の書きぶりやサイトでの配置も影響していました。若年層宛にも同様のコンテンツを届けられるよう、別途表現をカスタマイズして若年層宛のメルマガを送信するようにしました。


3.女性向けメルマガに掲載するコンテンツの調整
もともと、この不安払拭コンテンツへの導線を載せたメルマガは女性向けに配信をしていましたが、女性向けの配信としてはむしろ邪魔になるケースが多いと考え、導線を消しました。

4.配信対象セグメントの振り直し
不採用経験者をはじめ、休眠しやすいユーザの定義を再考し、それぞれのユーザ像ごとに求人応募をしやすくなるようなコンテンツを各セグメントに配信できるようにしました。

自社のユーザの実態を捉えて適切な施策を

施策の企画において、定石と呼ばれるような一般論を踏まえることは非常に有効です。
しかしながら、定石がすべての業界やターゲットに完全に適用できる、という訳でもあありません。
何にも勝るのは、自社のユーザが誰であり、どのような状況にあるかを分析することです。
ぜひ一度、施策が企画時の狙い通りに機能しているのかどうか検証してみてはいかがでしょうか。