らでぃっしゅぼーや株式会社様:
コンバージョンに効くのはアフィリエイト、そう思ってました。
間接効果を測定するまでは
2011年05月18日
ポイント
- 当初、アフィリエイト経由でのコンバージョンが多いと考えていたが、ウェブアンテナで顧客と広告との接触を調べると、想定外の経路でもコンバージョンしていることが分かり、マーケティング施策の改善に役立っている。
- 広告代理店を10社ほど利用しているが、ウェブアンテナを導入したことで広告代理店別のパフォーマンスをリアルタイムで評価できため、素早い改善ができている。
営業部
営業企画課
金森 賢広様
「最終的な決め手になる媒体はアフィリエイトだと、私はずっと思っていました」
企業名 | らでぃっしゅぼーや株式会社 |
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業種 | 通販 |
コンバージョン | 申し込み、申し込み後の本契約(オフライン) |
「純広告やリスティング広告の役割は認知にあり、純広告に触れてらでぃっしゅぼーやを知っていただいた方が、最終的にアフィリエイト経由で申し込みに結び付けばよいと考えていました。
ところが、広告効果測定ツールで調べてみると……。」
そう話すのは、らでぃっしゅぼーやでWebプロデューサーを務める金森 賢広氏。マーケ担当として独自の理論に基づいて集客施策を行ってきた金森氏だが、広告効果測定ツール「ウェブアンテナ」を導入して、コンバージョンに至るまでの「間接効果測定」のデータを分析していくと、その理論とは異なるケースもあることを、把握できたのだという。
「アフィリエイトには比較サイトやポイントサイトなどもありますが、お客さまはいろいろな情報を見たうえで最終的に判断したり、特典目当てで購入に踏み切ったりするのだと考えていました。
ところが、実際にコンバージョンに至ったユーザーの広告接触レポートを分析してみると、実はアフィリエイトで認知して、最終的にもアフィリエイトからコンバージョンするルートや、最初に純広告でらでぃっしゅぼーやに触れた人が最後も純広告でコンバージョンするルートなど、当初の想定とは異なる結果もそれなりにあることがわかったのです。決め手になる広告は、実際にはアフィリエイトだけでなかったのです」(金森氏)
「らでぃっしゅぼーや」は、利用者に「安全でおいしい食品や環境にやさしい商品の提供を通じて豊かで上質な暮らしをご提案する」ことを目指す、有機低農薬野菜や無添加食品の会員制宅配サービスだ。利用者はまずトライアル(お試し)に申し込み、8週間のお試し期間を経て、9週目から“本入会”となる。金森氏は、お試し期間から本入会に至る割合を「本入会率」として重要な指標だととらえ、本入会率と流入元との関係を分析する際にも広告効果測定ツールを活用している。
「お試し期間だけで(本入会に至らずに)やめてしまう方もいらっしゃいますので、本入会まで至るお客さまの傾向を知るために、流入元別に本入会率を計測しています。とはいえ、本入会されたかどうかのデータはウェブサイトにはありません。ですので、広告効果測定ツールのデータと基幹システムのデータをひもづけて分析しています。
そうして分析してみてわかったのは、“本入会率が一番高いのは自然検索から”ということでした。また、お試しのコンバージョン率と本入会率の傾向は、ほぼ比例するということも明らかになりました。今では、こうしたデータを参考に、全体のマーケ施策を少しずつ改善していっています」
らでぃっしゅぼーやの事例から、広告効果を測定していくことで見えてくる、マーケ担当者の成すべきことや、ユーザーの本当の動きを見ていこう。
間接効果測定や基幹システム連携などの課題
「らでぃっしゅぼーやの宅配サービスは、もともと訪問営業がメインでした。しかし2009年ごろに、戸別宅配サービスにオンラインから直接申し込めるようにしたことで、ウェブサイトの役割として顧客の獲得が重要になったのです」
同社では、ネットでの集客方法として「純広告」「リスティング広告」「アフィリエイト」の3つを展開している。ネットマーケティングを強化するうえで、広告効果測定もそれまで以上にしっかりと行う必要が出てきたという。
「実は、以前にも広告効果測定ツールを利用していたのですが、そもそもネットマーケティングに重点を置いていない頃でしたので、ほとんど活用できていませんでした。
しかし、ネットの重要度が高まり広告の効果を把握したいと考えるようになってくると、そのツールでは満足できないことがわかってきたのです。
らでぃっしゅぼーやの宅配サービス申し込んでくださった方が、本当は何がきっかけで申し込んだのかという間接効果までリアルタイムで把握したいというニーズが、本格的にWebサイトを利用していくにしたがって社内で強くなってきました。そこで、広告効果を正しく測定できるツールとして、それまで利用していたツールから乗り換える形で2009年の春から利用し始めたのが、ビービットさんのウェブアンテナでした」
また、オンラインマーケティングの本格化にともなって、それまで1社だった広告代理店を10社ほど利用するようになったことで、各代理店のパフォーマンスを比べて評価できるようにしたかったことも、ウェブアンテナを選んだポイントの1つだったといいう。
ウェブアンテナ導入でこれまでの課題を解消 〜 幅広く活用できる間接効果測定の分析
全社的なネットへのシフトの追い風もありスムーズに導入されたウェブアンテナだが、その効果はどうだったのだろうか。金森氏によると、先に挙げた課題は、ほぼ満たすことができているという。
(1) 申し込み獲得に効いた広告を間接効果を含めて分析
ウェブアンテナの特徴である間接効果測定の機能は大いに活躍しており、特にこの点は期待以上だったと金森氏は評価している。
「ウェブアンテナが出力するCSVレポートを分析していくと、最終的にコンバージョンに至るまでにユーザーがどんな広告に触れていたかを把握できます。最初に商品を知った広告はどの広告で、最終的にコンバージョンさせた広告がどれかなど、どの広告がどのように影響しているのかが見えてくるので、クリエイティブごとに成果がわかりますし、広告費をどう配分すべきかの参考にもなります。
弊社のサイト群の主な目的は会員申込ですが、それ以外にも資料請求、eらでぃっしゅ、さらにはウォーターサーバーレンタルなど、コンバージョン地点が複数ありますから、それを一括で確認できるのは便利ですね」
この記事の冒頭で示したように、アフィリエイトや純広告といった媒体ごとの役割も、ウェブアンテナで分析することでよりわかるようになったのだという。
一般的なアクセス解析ツールのように「コンバージョン直前の参照元」だけを分析するのではなく、そのユーザーがコンバージョンするまでの広告接触を通して分析できることが、本格的な広告効果測定ツールの特徴。らでぃっしゅぼーやのような食品では、広告を見てその場で申し込む人ばかりとは限らない。らでぃっしゅぼーやを知り、他のサイトでいろいろと調べて納得してから申し込むに至った人の広告接触状況のデータは、マーケターにはありがたい情報だ。
(2) 複数代理店のパフォーマンス評価
「リスティング広告は広告代理店にお願いしているため、代理店の担当者さんにウェブアンテナを使ってもらって、効果の悪いワードやカテゴリを改善してもらうようにしています。代理店さんごとにウェブアンテナのアカウントを作って、その代理店さんの担当している広告だけ確認できるようにしているため、やりとりの負担はかなり少ないですね」
(3) 基幹システムの顧客データとひもづけての分析
この点に関しても、記事の冒頭で示したように、データ連携によってお試し期間を経て本入会した人に効いていた接触ポイントがわかるようになっている。
「以前に使っていた広告効果測定ツールはWebサイト上のデータだけしか扱えなかったのですが、ウェブアンテナでは基幹システムのデータと連携してデータを分析できるので、より深い分析ができるようになりました」
単純にサイト上のコンバージョンポイントまでの成果を測るだけでなく、より事業上の成果(利益)に近い部分でデータを分析できるようになったことで、さまざまなマーケティングチャンネルの効果を正確に把握できるようになったと言えるだろう。
(4) リアルタイム分析
「弊社の広告でもっとも費用対効果が高いのは、アフィリエイトです。しかし、アフィリエイターさんのサイト上で弊社の広告を前に押し出してもらうのは、なかなか簡単ではありません。そこで、広告を目立つ場所に掲載してもらうようにアフィリエイターさんに連絡して依頼したりしています。これは専任の担当者が、状況を確認しながら行うのですが、ウェブアンテナではリアルタイムで各アフィリエイターさんの広告効果を測定できるので助かっています」
ソーシャルゲームとのタイアップも効果測定
また、最近ではmixiのソーシャルゲームやアメーバピグとのタイアップキャンペーンも実施しているが、ソーシャルメディアからの流入計測ができたこともウェブアンテナを導入していて良かったことだったという。
アメーバピグとのタイアップでは、
申し込み特典としてらでぃっしゅぼーやの
限定アイテムが提供された。
「ゲームなどのソーシャルメディアを利用することは非常に有効なマーケティング施策だと考えています。らでぃっしゅぼーやでは、ゲーム内容との関連性から、mixiの“サンシャイン牧場”とタイアップキャンペーンを試しに行いました。ソーシャルメディアの利用は初めてでしたが、期待以上の効果を得られました。ゲームのプレイヤーにTwitterでつぶやいてもらうといった施策も行いましたが、ウェブアンテナのおかげでソーシャルメディアの間接効果も把握できました」
ウェブアンテナ導入は現場だけでなく社内意識の変革にも効果
「実は、以前は社内向けにちゃんとレポートを出していませんでした。基幹システムのデータを抽出して、媒体別の集計を報告していた程度だったのです」と笑う金森氏だが、今は社内向けにしっかりとした広告効果に関するレポートを提出している。レポート作成に費やす時間は週に1回、1〜2時間程度だという。
金森氏自身にとって必要不可欠なツールとなったウェブアンテナだが、マーケティング担当者だけでなく他の部署にも良い効果を与えつつあるのだという。導入当初はウェブアンテナのデータを確認するのは担当する数人しかいなかったという同社。もともとネットに対する関心の薄かった社内だが、レポートを出し続けていたところ「こういうデータも見られるのか」と興味を持たれるようになり、今では自分で直接ウェブアンテナを確認する管理職もいるのだという。
管理画面を、FLASHの簡易デモでご覧いただけます。
1分間で、機能と操作のイメージをつかむことができます。
この記事は、Web担当者Forumに掲載された記事「コンバージョンに効くのはアフィリエイト、そう思ってました。間接効果を測定するまでは/らでぃっしゅぼーやの事例(仲里 淳)」を再編集して掲載しています。