藤井 保文
ウェブサイト作成時に役立つ7つのテクニック、第4回はウェブライティングについて取り上げます。ウェブ上で文章を書く際には、紙媒体とは違った独特のルールが存在します。ルールの観点を押さえて、読んでもらえる文章を書くためのポイントをお伝えします。
ウェブサイト設計の時に役立つ7つのテクニック
- ファーストビュー
- 関連性
- 具体性
- ウェブライティング ←今回のテーマ
- リンクの装飾と配置
- 目線の操作
- 他サイトでの慣習
「ウェブサイトに有益で魅力的な情報を載せているのに、何故か成果が出ない。」そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ウェブサイトでは紙媒体に比べ、可読性が著しく低下します。もしかしたらウェブサイトに適した文章の書き方になっておらず、「有益で魅力的な情報」であることが伝わっていないのかもしれません。
第4回では「ウェブライティング」をキーワードに、メッセージを伝えるための3つの観点をお伝えします。
「ウェブライティング」に関する3つの観点
- 見出しを書くときのポイント
- 本文を書くときのポイント
- 文字装飾のルール
1. 見出しを書くときのポイント
ウェブサイトのユーザは、見出しのみを流し読みし、本文を読まない傾向が強いと言われています。見出しでは具体的な内容を書き、見出しだけでもそのページのメッセージが伝わるようにしましょう。
見出しを書くときのポイントには大きく分けて2つあります。1つは「メッセージを伝えるためのポイント」、もう1つは「可読性を向上させるためのポイント」です。まずは「メッセージを伝えるためのポイント」から以下にご紹介します。
- キーワードは文頭に置く
- 1文は1メッセージにする
- 機能ではなく、ユーザにとっての便益を書く
- 専門用語、社内用語、英語を使用しない
また、「可読性を向上させるためのポイント」としては以下が挙げられます。
- 漢字だけ、ひらがなだけを連続して使用しない
- 同じ単語を何度も繰り返さない
- 数字を入れて訴求力を向上させる
- 数字を使用する時は小数点は使用しない。分数表記や四捨五入をして表記する
メッセージが明確になり、可読性が上がれば、ユーザは「有益で魅力的な情報」に気がつき、興味を持って本文を読み始めてくれることでしょう。次は本文を書くときのポントです。
2. 本文を書くときのポイント
ユーザが本文を細かく読むことは少ないため、流し読みでも分かるような文章にする必要があります。読み飛ばされるリスクを考え、まずは結論から文章を始めましょう。また、本文にしか書かれていない重要なことがあるなら見出しにしてしっかり伝えましょう。以下、本文を書く時のポイントをご紹介します。
- 重要な内容から記述する
- 一文を短くする
- 1行は35〜40文字、1段落は3・4行前後に抑える
また、伝えたい事が多くて文章量が増えてしまう場合には、以下のポイントが有効です。
- 要約を使用する
- 文章量に応じて大見出し、中見出し、小見出しを使い分ける
- 段落ごとに適切な見出しを付ける
- 箇条書きを有効に使用する
これらのポイントは、本サイト上でも実現されています。ウェブライティングについては、このユーザビリティ実践メモでも過去に色んなテクニックをお伝えしています。興味をもって頂けたら、是非過去の記事も読んでみてください。
【参考】ウェブライティングの記事一覧 |
3. 文字装飾のルール
文字の装飾に関して、ウェブサイトでは以下のようなケースが多く見られます。
- 青い文字は未読リンクのみに使用する
- 紫の文字は既読リンクにのみ使用する
- 下線の文字はリンクにのみ使用する
- 赤字、太字は強調時のみ使用する
多くのサイトでこのルールが適用されているため、ユーザはこのルールを日常のウェブ体験で学習しています。このルール(=学習経験)に反してしまうと、ユーザの読みやすさは大きく損なわれます。
例えば、リンクではないのに青字下線を引かれている文章をクリックしたユーザは、いつものルールが通用しないためどこがクリック出来るのか分からなくなってしまいます。
また、赤字や太字は伝えたい箇所全てに使用してしまいがちですが、あれもこれも強調してしまっては、強調の役割を果たしているとは言えません。赤字や太字はなるべく使わないよう心がけ、内容を絞った上で最も強調すべきメッセージにのみ使用しましょう。
以上、「ウェブライティング」をキーワードにメッセージを伝えるポイントをまとめてご説明してきました。
次回のテーマは「リンクの装飾と配置」です。一目でリンクだと分かってもらうためのコツや、スムーズな回遊を促すためのコツをご紹介していきます。どうぞお楽しみに。