2010年02月01日

目的を持ったユーザに、その他の情報を伝えるには?

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顔写真
ユーザビリティコンサルタント
室伏 知将

更新情報の確認など明確な目的を持ってサイトに定期的に来訪するユーザは、常にサイトの同じエリアを見て、同じように離脱しがちです。
一方で、このように定期的にサイトを訪れてくれるユーザがいる場合、「彼らの目的達成を妨げることなく、都度他の情報も訴求したい」と考えるサイト運営者が多いのではないでしょうか。

今回は、上記のような運営側の意図を達成するために用いられる、プッシュ型とプル型の2つの方法とそれぞれの特徴をご紹介します。


1.【 プッシュ型 】 目的達成の過程で情報を提示する

固定化しているユーザの視線の動きの途中に情報を挟むことで、ユーザに気づきを与えます。
■メリット
目に付きやすいので情報伝達の確実性が高く、一部分に手を加えるだけなので手間も少なくすみます。
■デメリット
ユーザにとっては目的遂行途中に予期せぬ情報を挿入されることになるので、内容によっては不快感を与えることでサイトに対してマイナスイメージを抱かれてしまう、または当初のユーザの目的達成の妨げになる危険があります。そのため、目的遂行中のユーザ心理に合った訴求であるかどうかを丁寧に配慮する必要があります。
■アドバイス
・オーバーレイなど動きのある表現であれば、より効果的な訴求が可能です。
・目的途中での訴求が難しい場合は、目的達成後に他を見る余裕ができたところを狙うのも効果的です。詳しくは過去の実践メモ「完了ページやログアウト画面の効果的な使い方」をご覧下さい。
事例画像Yahoo


2.【 プル型 】 サイトデザインを全体的に変化させる

みなさんは季節やイベントごとにGoogleサイトのロゴが変わって、つい気になったり、思わずクリックしたりしたことはありませんか。

事例画像Google

弊社で行ったユーザ行動観察調査では、いつもはユーザの目的や行動が固定化しがちなサイトでも、デザインリニューアル後にサイトを訪れたユーザは、サイト全体を細かく閲覧することが度々確認されました。
色調やイラストなど、全体的なサイトデザインの変化は、ユーザを「目的遂行のみを意識するモード」から「全体閲覧モード」に変えられる可能性が高いようです。

■メリット
無理やり情報を見せるわけではないので、情報内容によりユーザが不快感を抱くリスクが大幅に減少します。ユーザは自分の好きなタイミングでサイト閲覧を行えるので、ユーザの目的を阻害することもありません。滞在時間の増加にも繋がるでしょう。
■デメリット
ユーザに自ら情報を発見してもらう形になるため、サイト側が見せたい情報が伝わるかは不確実です。また、全体的なデザイン変更には一定の工数が必要になります。
まとめ表

プッシュ型・プル型、それぞれ長短あわせ持っていますので、状況に応じて使い分けてみましょう。

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