2010年01月12日

診断ツールにおける選択肢の作り方

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ユーザビリティコンサルタント
生田 啓

ウェブサイトにおいてユーザにいくつかの質問に答えてもらい、その結果として当該サイトが提供するサービスを紹介する「診断ツール」が存在します。旅行会社サイトで好みのツアーを診断したり、証券会社サイトで適切な投資スタイルを診断するなど、様々な場面で用いられています。
今回はこの診断ツールで、ユーザに回答してもらう質問について考えてみたいと思います。

近年、ユーザニーズは多様化しており、通り一遍の質問内容ではそのニーズを汲み取りきれず、ユーザが十分納得できる診断結果にならない可能性があります。
先程述べたツアー診断など、ユーザの好みが強く表れる診断ではこの点が特に問題になることがあります。ここでは、同じくユーザの好みが強く表れる分野として、ブライダルでの例をご紹介します。

弊社が、とある結婚式場紹介サイトで行ったユーザ行動観察調査でのことです。ユーザの好みにあった結婚式プランを診断するサービスを設計するために、質問に対する選択肢として下記の2種類を用意しました。

2つの選択肢の例

その結果、Aに比べてBの選択肢に好印象をもったユーザが見受けられました。具体的には、「選びやすい」や「自分の気持ちを汲み取ってくれている気がするので、診断結果に信頼がおける」といった意見が得られたのです。
本例からも分かるとおり、ユーザニーズを上手く汲み取る選択肢を用意することで、選びやすさ向上・結果への信頼性向上といったメリットが生まれ、ユーザとの良好なコミュニケーションにつながる可能性があります。

診断ツールの選択肢をさらに工夫することによって、ユーザに気づきを与え、新たな価値観を提案できることもあります。上記のブライダルの例で言えば、Bの一番上の選択肢を見て「2人だけでひっそり結婚式を挙げるのもいいかも知れない」と気づかされるユーザがいるかも知れません。
このようなツールを用いる際は、今いちどユーザの目線に立って、自分の気持ちを反映させやすい選択肢になっているかを考えてみてはいかがでしょうか。

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