柳本 陽平
登録や申し込みページの入力フォームにおいて、郵便番号を入力すると住所欄が自動入力される機能は、ユーザの入力負荷を軽減する便利な機能です。実はこの機能、正しく郵便番号を入力してもある条件下ではエラーとなってしまうことがあることをご存知でしょうか。今回は入力フォームでの「郵便番号」の意外な盲点についてご紹介します。
ECサイトや会員サイトでユーザが住所を登録する際、サイトによっては「自宅住所」、ではなく「会社住所」を登録する必要があります。また、特に企業向けのサイトでなくても、ユーザ個人の事情などによっては会社住所で登録しようとするため、住所登録時に会社の郵便番号を入力する、というケースは多くのサイトで発生します。
ただ、「会社」で用いられている郵便番号は一般的な郵便番号と異なる場合があります。
郵便番号は、特定の企業(1日の配達量が一定量を超えるような事業所)に対して「大口事業所個別番号」という事業者向けの郵便番号を割り当てており、該当する企業はこの割り当てられた郵便番号を使用しています。
しかし、郵便番号から「住所を自動入力する機能」が参照している郵便番号は必ずしもこの「大口事業所個別番号」に対応しているわけではありません。入力された郵便番号が対応していない「大口事業所個別番号」であった場合はエラーが表示されてしまいます。
ユーザとしては郵便番号を正しく入力したにも関わらずエラーが表示されてしまい、かつエラーの理由がわからない、という状態に陥ってしまいます。
ここで最も重要なことは、ユーザが「入力ミスしてしまった」という誤解のもと再入力してはエラー表示される、という繰り返しを避けることです。何度入力してもエラーが発生してしまうと、ユーザはサイトに対して非常に悪い印象を持ったまま離脱してしまうことにつながってしまいます。
こうした場合の対策としては、エラー表示に以下のような文言を追記することが考えられます。ユーザが会社住所を入力する可能性のあるサイトでのフォームを作成する際は参考にしてみてください。