ユーザビリティコンサルタント
柳本 陽平
柳本 陽平
Googleマップは無料で利用でき、組み込みも簡単なため、会社への案内地図として利用しているサイトも多いのではないでしょうか。ただし、条件によっては、Googleマップだけでは不十分なケースがあります。
今回はGoogleマップを用いる上での注意点について考えてみたいと思います。
1)全てのユーザがGoogleマップを使いこなせるわけではない
来訪するユーザは必ずしもGoogleマップの操作に習熟しているわけではありません。Googleマップはユーザが地図の表示範囲を移動したり、縮尺を変更できる点が魅力ですが、縮尺変更の操作はインターネットリテラシーの低いユーザにとっては難易度が高いため、ユーザに操作させることを前提とすることは避けるべきです。 来社するユーザの特性(周辺の地理に明るい地元の人/地理に疎い遠方の人など)や利用する交通手段(電車、徒歩、自家用車、バスなど)によっては異なる縮尺の地図を提示する必要がありますが、その場合は広域地図と周辺地図を分けて提示することをおすすめします。「ユーザが縮尺を変更できるから」という理由でGoogleマップを採用するのは避けましょう。
2)Googleマップは自社までのルート上の目印が最適化されていない
Googleマップ上のビル名や店舗は、必ずしも自社への案内用に最適化されたものではありません。初めて訪問するユーザにとっては、2区画隣の市立図書館より、確実に曲がらなくてはいけない交差点にある「●●商店」の方が重要です。駅などのランドマークからの経路が複雑である、建物がわかりにくい、などの理由で精度の高い道案内が必要な場合は、自社への道案内に特化した地図を作成することをおすすめします。
卑近な例とはなりますが、弊社は最寄り駅からの経路がとてもわかりにくいため、以下のような写真付きの案内地図を作成しています。
案内地図作成の際も、ユーザ目線を取り入れてみてはいかがでしょうか。