磐前 豪
インターネットの浸透の高まりに伴って、マスメディアの影響力の低下が取り上げられることが増えています。
ただ現在でも、マスメディアの報道等によってユーザの心理が影響されることは少なくないと考えられます。
インターネットにおける、自社の商品、サービスの訴求についても、そうしたユーザの関心事の変化を捉えて、メッセージを柔軟に変えていくことも必要です。
例を挙げて考えてみましょう。
今年1月に明らかになった中国製ギョーザの中毒問題は、マスコミで連日大きく取り上げられてきました。
現在でも加工冷凍商品の売上げが落ち込んでいるなど、食品や健康関連の商品の原材料や製造国に対するユーザの意識は、事件以降変化していると考えられます。
こうした変化を踏まえると、仮に国産であることが自社商品のアピールポイントではなかったとしても、その商品が国内で生産・産出したものであれば、「国産」であることを積極的に示した方が、それを意識しているユーザの不安を払拭することに繋がります。
実際、弊社のユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)では、ある健康関連の商品を紹介するサイトで「国産」であることを追加して記載したところ、ユーザがそれを見て安心感を持つ反応が観察されました。
もちろん、世の中のブームなどに安易に迎合して、コンセプトが定まらずにメッセージを変えてしまうことは、ユーザとの長期的な信頼関係を築くうえではマイナスですので注意が必要です。
最近は程度の大小はあれ、どのような企業に対しても、
- 透明性
- 情報開示
- 説明責任
特に企業のウェブサイトに対しては、ユーザは情報の網羅性や正確性を求める傾向があるため、説明が不足または欠落している場合、ユーザに不満を抱かせてしまったり、不安を解消できない可能性があります。
何らかの事情により、ユーザの先入観とは異なる対応を取っている場合(上記の例では、国産ではない場合)でも、なぜそうした対応としているか、理由や考え方をウェブサイト上でも積極的に示していった方が良いでしょう。
LPOなどの流入対策のページでは、変更・改善を頻繁に行っていても、本サイトは、一度作った以降、あまり見直さなくなってしまうことも少なくないようです。
世の中の状況の変化に対しサイトが適応できているか、忘れずに確認しておくと良いでしょう。