ユーザビリティコンサルタント
半田 豊
半田 豊
世界各国でビジネスを展開している企業は、様々な国々でそれぞれサイトを持っていることが珍しくありません。
今回はそうしたグローバル企業で海外サイトのユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)を行った際の事例について取り上げます。
世界数十ヶ国に展開するメーカーの海外サイトのユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)を行ったところ、アメリカ人ユーザが検索サイトの検索結果からその企業のイギリスサイトへ流入し、そのまま使い続けるといった行動が見られました。
このアメリカ人ユーザは、途中でそのメーカーサイトで商品購入可能な小売店検索(Where to buy)を使用するまで、使っているサイトがイギリスのサイトであることに気づきませんでした。
言語が英語で特に違和感なく使うことができたことが影響していますが、これはアメリカ、イギリス、オーストラリアやその他英語を共通語として使用している国のサイトでは頻繁に発生します。
特に同じ英語圏のサイトでSEO対策のレベルが国ごとに異なる場合にこの事象は起きやすいです。
グローバル企業といえど、国により販売している商品や提供しているサービスが異なり、また提供している情報にも違いがあると考えられます。そのため、他国のサイトではユーザは目的を正しく達成できるとは限らず、注意すべきといえます。
ユーザが異なる国のサイトへ流入する可能性があることを想定し、
- ヘッダーエリアのロゴの近くに国名を挿入する
- ヘッダーエリアの右の目立つ位置にカントリーセレクター(国を指定することでその国のサイトへリンクできるプルダウン等)を配置し、そのサイトがどの国のものなのかを明確にする
のいずれかの対応を取ると良いでしょう。