垣内 勇威
「インターネット=携帯電話」ユーザ(PCをほぼ/全く利用しないユーザ)の特徴として、フリーワード検索を好んで利用する傾向があります。
携帯サイト閲覧は、画面の大きさや通信速度など物理的な制約が大きく、加えてこのユーザ層は、ボタンで文字を打つことを全く苦にしないため、目的のリンクを見つけるまでにフリーワードボックスを見つけると、すぐに入力を開始します。
しかし、サイト内のフリーワード検索を利用した場合、ユーザは期待するページにたどり着けない可能性があります。
例えば、ある求人携帯サイトでのユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)では、次のようなことが起こりました。
高校生のユーザが「高校生歓迎」のアルバイトを探そうと思い、フリーワード検索ボックスに「高校生」と入力して検索を行いました。
ところが検索結果では、「高校生歓迎」の案件以外に同じ「高校生」というキーワードを含む「高校生不可」の案件も表示されました。
その結果、ユーザは自分にマッチするアルバイトが少ないと感じて離脱してしまったのです。
実はそのサイトは、高校生歓迎の案件に誘導するリンクを用意していたのですが、フリーワード検索ボックスより下に配置していたため、気付かれることはありませんでした。
上記の例では、検索システムの問題もありますが、フリーワード検索は万能ではないことに注意しておく必要があります。
この例での改善策としては、フリーワード検索は目的のリンクが見つからない際の救済手段と位置づけ、画面下部に配置することで、リンクが見つかりやすくなると考えられます。
携帯サイトにフリーワード検索ボックスを設置している方は、その位置づけについて見直してみると良いでしょう。