2007年10月15日

「サイトを使わない」ユーザも考慮する

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ユーザビリティコンサルタント
土井 博貴

ユーザ視点に基づいたウェブサイト運営においては、「そのサイトの利用者=ターゲットは誰か」を明確にすることが不可欠です。

しかし、ターゲットは必ずしも「サイトの利用者」だけではないことに注意しましょう。

例えば、弊社のユーザ行動観察調査にて、下記のような事例が観察されました。

ホテル・旅館を検索できるトラベルサイトにて宿泊候補の旅館を選んでいた男性が、自分の興味があった温泉ページを閲覧している最中にたまたま「エステのご案内」という文言に注目し、「この旅館なら妻も満足できそう。ちょっと相談してみます」と興味を持ちました。

このとき、サイトの利用者は夫である男性なのですが、彼の意思決定には奥さんが少なからず関与していると考えることができます。(もしかしたら意思決定者は奥さんなのかもしれません)

このように、サイトの目的を達成するために考慮すべきターゲットは、必ずしもサイトの利用者だけではありません。

上記のトラベルサイトの場合は、例えデータ上は男性既婚者が利用ユーザとして多数であることがわかっていたとしても、客室や温泉などユーザの主要動線上にリラクゼーションサービスやお子様用設備のコンテンツへ誘導するリンクを配置するなど、女性もターゲットと設定することがひとつの方法です。

サイトの利用者が影響を与える(または影響を受ける)人物まで広くとらえた上で、重要なターゲットを選定することが重要です。

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