ユーザビリティコンサルタント
森 祐二
森 祐二
【お詫び】9/3の初出時、誤って以前の記事を公開していました。読者の皆さまにお詫びするとともに、記事を差し替えさせていただきます。
ECサイトを利用するユーザは、必ずしも明確に欲しい製品が決まってからそのサイトを訪れているわけではありません。
たとえ個別商品の購入ページにたどり着いたとしても、買い物カゴに入れる寸前まで、「その商品が本当に自分に合っているのか」と悩むケースが多く見られます。
このような場合、ユーザは購入するかどうかの判断材料を求めて、ECサイト内や、メーカー自身のサイトで、その製品に関するさらに詳しい情報を探します 。
特に、メーカーが運営している直販サイトの場合、メーカー自身の製品紹介サイトで、正確で詳しい製品情報を入手できることをユーザは期待しています。
ところが、実際のメーカー直販サイトでは、直販サイトと製品紹介サイトの連携が取れておらず、直販サイト内の個別商品購入のページにいるユーザが、改めて製品紹介サイトのトップページにアクセスし、製品を探し始めるという例が、弊社のユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)で観察されています。
新たに別のサイトへ移動して、そこで製品を絞り込みなおさなければならないという作業は、サイト構造を熟知しているわけではないユーザにとって非常にストレスがかかります。「今、買おうかな」と思っている商品も、操作に手間取っている間に購入意欲が減退することも考えられます。
メーカ直販サイトでは、「情報の信頼性の高さ」「直販の安心感」というメリットを最大限に生かし、個別製品の紹介ページと購入ページを相互にリンクさせるなどして、ユーザをスムーズに商品購入へと導くことを検討しましょう。