2007年07月02日

メール認証でユーザを脱落させないためには

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顔写真
ユーザビリティコンサルタント
白井 康雄

会員登録や商品購入の流れの中で、ユーザのメールアドレスにメールを送信し、メール内に記載されたURLをクリックしてもらうことで作業の完了となる『メール認証』を採用しているウェブサイトがあります。

これはメールアドレスの誤入力や第三者によるなりすましを防ぐために有効な手法ですが、このような認証を経験したことのないユーザの場合、メール内のURLをクリックする必要性がわからず、登録や注文が完了できないという問題が起こることがあります。

たとえば、あるウェブサイトでは商品注文の途中のステップで次のようなメール認証の説明画面が表示されます。

メール認証説明の悪い例


あるユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)では、この画面の「注文の完了」というメッセージを「このステップを行えば注文が完了します」という意味ではなく「既に注文は完了した」と誤解しメールをチェックすることなくブラウザを閉じてしまうユーザが続出しました。

このケースでは「確認メール」という文言も誤解を招きやすい表現だったようです。これを注文内容の確認メールだと考えてメールチェックを行わないユーザもいたのです。

メール中のURLをクリックしないと注文が確定しないという記述はあるのですが、一旦注文が完了したと思い込んでしまったユーザに文章の続きを読むことを期待するのは難しいでしょう。

このような誤解を防ぎ、メール認証の方法をきちんと理解してもらうためには、以下のポイントをユーザに明確に伝える必要があります。

  • 登録や注文はまだ完了しておらず、作業を継続する必要があること
  • 入力されたメールアドレスにメールを送信したこと
  • メール本文のURLをクリックすることで、作業が完了できること

具体的には以下の例のように「完了」ではなく「継続」のメッセージを強調し、メールが届いたことをイラストなどの使用によりひと目で分かるように工夫することが重要です。

メール認証説明画面の改善例


せっかく商品やサービスに興味を持って登録や注文に進んでくれたユーザを最後の最後で逃がしてしまうようなことは避けたいものです。ちょっとした配慮不足により重要な局面でユーザの誤解を招いているようなことはないか、一度ご自身のサイトを見直してみてはいかがでしょうか。

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