磐前 豪
不動産、金融、教育など、資料請求をウェブサイトのビジネスゴールとして設定しているサイトは少なくありません。
ただ近年、資料請求に対するユーザの反応が変化してきているように見えます。
インターネットは数年前に比べ、リッチな表現を簡単に実装できるようになりました。各企業がインターネットを集客・販促・販売ツールとして力を入れて取り組んできたことから、今やユーザは大抵のことはインターネットで情報を入手できます。
紙メディアは優れた可読性や携帯性、一覧性などの長所もありますが、動画や、情報をカスタマイズするといったことは、ウェブに軍配が上がります。
資料請求により情報を得るニーズは下がってきているといえそうです。
加えて、資料請求には、ユーザが個人情報を入力しなければならないという問題があります。
キーボード入力が必要であり手間がかかるだけでなく、プライバシーに対する意識の高まりや、個人情報漏洩の問題が頻繁に取りざたされたことにより、個人情報を企業へ提供することに対する警戒心が上がってきています。
入力を敬遠する理由として、営業電話がかかってきたり、ダイレクトメールが届くからと考える人も非常に多くいます。
以上の背景から、ユーザを資料請求に導くことは以前に比べ難しくなってきています。
では、どうすればよいのでしょうか。
ここでも、ユーザの視点に立ったサイト作りが重要です。
例えば、資料請求によるユーザ側のメリットを提示したり、届く内容物のイメージを提示したりすることが考えられるでしょう。
例:「ご家族ご一緒で検討できる準備キットをお届けします」
勧誘を敬遠して個人情報の入力を嫌がるユーザに対しては、勧誘を行っていないのであればそれを明記することも検討できます。
例:「お電話による勧誘は一切行っておりません」
ユーザが抱くであろう不安を想定し、サイト側が先手を打って解消することで、ユーザに心理的なブレーキがかかることを防ぎます。
また、ユーザが何か疑問が湧いた時に、その解決口が「資料請求」のみでは、ユーザはそこに答えを求めようとはしないでしょう。「お問い合わせ」という選択肢を提供することでユーザを導くこともできます。
時代や環境の変化に合せて常にユーザ視点で配慮していくことが、ユーザを獲得することへの解決策となります。