ユーザビリティコンサルタント
垣内 勇威
垣内 勇威
アイトラッキングシステムを利用したユーザビリティ調査から、パソコンスキルによってページ内の視線の動きが異なることが判明しています。
今回は、パソコン利用歴2年未満で、1日のインターネット利用時間が1-3時間程度の初心者ユーザへの調査結果をご紹介します。
調査の結果、初心者ユーザの視線の動きは、ページ上部をメインに閲覧する傾向があることが分かりました。このこと自体、当たり前のように思われるかもしれませんが、長い間、日常的にインターネットを利用している上級者ユーザは、ページを下まで1度スクロールして内容を大まかに把握してから、ページ内で必要な情報だけを選択して閲覧していくという行動を取ることが多くあるのです。
初心者がページ上部を中心に閲覧していく理由として、以下の初心者ユーザの心理・行動特性が挙げられます。
- ページ上部ほど自分にとって必要な情報があると考えている
- サイト上の情報把握力・選別力が高くないため、どこまで見たかわからなくなってしまうことを避けようと、全体よりも一部を把握しようとする
- パソコン画面を閲覧することに疲れを覚えやすいため、1ページに費やす時間が短く、ページ下部まで目を通さない(スクロールをしようとしない)
このような行動特性から、初心者ユーザの場合、ページ上部に必要な情報がないとサイトからの離脱に繋がる可能性があります。
初心者ユーザをターゲットにしたウェブサイトであれば、ページ上部にはユーザが最も見たいと思っている情報、かつビジネス側がユーザに一番見て欲しい情報を配置することが特に大切になるのです。