ユーザビリティコンサルタント
土井 博貴
土井 博貴
ECサイトで扱う商品の魅力を効果的に訴求する一つの方法として、商品写真を「大きく」「複数」出すことが挙げられます。
多くのECサイトで商品の紹介文と合わせて写真を掲載することは当たり前となっていますが、中には写真が小さすぎて紹介文にある特長がわかりづらかったり、外装の写真しか掲載されておらず中身の写真がなかったりするケースが見受けられます。
特に写真が重要な商品(家具・アクセサリーなど)では、写真が小さく見づらい、見たい部分の写真がないことが購入意欲を減退させる大きな要因となります。
弊社のユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)では、商品写真は大きいほど、そして様々な角度・パターンが多いほどユーザへの魅力度が高まることが観察されています。
「写真はクリックして拡大できるようになっていれば良い」と判断し、商品紹介ページでは小さく表示するという選択も誤りではありません。
しかし、小さすぎる写真は訴求力が弱く、ユーザは「クリックして詳しく見たい」とまで思わずに購入を諦める可能性もあるため、注意が必要です。
楽天市場で人気の高いサイトを見ると、写真の使い方が参考になります。
中にはサイトの運営者が自ら撮影した商品写真もあり、写真のアングルや加工技術が必ずしも高いとは言えませんが、「大きく」「複数」掲載することで、それを補って余りある魅力が備わっています。
勿論、写真は解像度や明るさ、ファイルサイズなども大切な要素です。写真の大きさや枚数を変えた商品紹介ページを数パターン試し、ログ解析で効果を検証することが理想的です。