磐前 豪
自社のサービス・商品をウェブサイトでいかに効果的にユーザに見せることができるかどうか、頭を悩ましているウェブマスターの方も多いのではないでしょうか。
そうした時は、つい自社の優れている点を伝えることばかりに躍起になってしまいますが、思わぬ落とし穴もあります。
テストで発見された顕著な例をご紹介します。
【ケース1】:インターネットセキュリティ製品の場合
この製品は品質、価格など全体的に優れている点が多く、ウェブサイトでも効果的にアピールできていました。
ところが、下位階層にあるメンテナンスに関するページの更新日付が、かなり古いままになっていました。
それを目にしたユーザは、「セキュリティ製品は常に最新にアップデートされていることが重要なのに、ずいぶん昔のまま放置されている。この製品のセキュリティ情報の更新頻度は大丈夫なのでしょうか・・。」と不安を持ってしまいました。
【ケース2】:特化型の中古車販売店の場合
この販売店は、特定の車種のみを専門に扱っており、このコンセプトはターゲットユーザに非常に好評でした。
ただ、検索ページでは汎用システムをそのまま使っていたため、扱っていない車種・メーカーも選択できるようになっていました。
それに気付いたユーザは、「ここは専門店といっておきながら、実は専門じゃないってことなんですか・・。」と疑問を持ってしまい、最後までそれが払拭されることはありませんでした。
ケース1では、サイト全体は概ね適切なタイミングで適切な情報を発信できていたにも関わらず、サイト運営者がたまたまあるページの更新を忘れていたがために、ユーザに不安を抱かれてしまいました。
ケース2では、サイト運営者は汎用システムが自社には最適ではないことを認識しつつも、その問題をそこまで重要視していませんでした。ところが、そのことが予期せぬ影響を及ぼしていたのです。
ユーザは、発信側が謳いたいメッセージだけを見ているのではなく、ウェブサイトから様々な形で情報を得て、企業の姿勢や信頼性を判断しています。
これは現実世界で、お客様が、応対した社員の一挙手一投足を全て見ているのと似ています。
裏を返せば、細部まで一貫しているかどうかが信頼の獲得にもつながってきます。もう一度そうした観点で自社のウェブサイトを再点検してみてはいかがでしょうか。