坂巻 玲奈
印刷用、カタログダウンロード用などの目的でPDFファイルを用意し、ウェブサイトからリンクを張るとき、同じウィンドウ内でPDFファイルに遷移する「同ウィンドウ表示」にしていますか?それとも新しくウィンドウが立ち上がる「別ウィンドウ表示」にしていますか?
弊社では、PDFファイル、またはExcelやWordなどのアプリケーションファイルを配置する場合のページ遷移は、別ウィンドウ表示で設計をするのが望ましいと考えております。
ウェブサイトを利用しているユーザが最も多く使う機能の1つは、ブラウザの左上にある、既に閲覧したページに戻るボタン(以下「戻るボタン」)です。
ユーザは次々にページを閲覧しては、前に見ていたページに戻るために「戻るボタン」をクリックしていきます。
そこで弊社では、基本的に別ページ、別サイトへのリンクは、同ウィンドウ表示で設計をしています。別ウィンドウ表示では「戻るボタン」を使った操作で前のページに戻れず、ユーザが混乱する恐れがあるからです。
ところが、PDFファイルにおいては、閲覧し終えると、「戻るボタン」を利用せずに、右上の「×」マーク(以下「閉じるボタン」)をクリックしてブラウザを閉じてしまうケースが、弊社のユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)で多数見受けられています。
この場合、同ウィンドウ表示では、ウィンドウ自体を閉じてしまうため、元の画面までなくなってしまい、前に見ていたページに戻りたいユーザのニーズに大きく背く結果となってしまいます。
PDFファイルの場合、ブラウザ上で表示されていても、通常のアプリケーションが開いたとユーザは認識するため、利用後は通常どおり画面を閉じてしまうのだと考えられます。
リンク先で表示される形式によってユーザ行動が異なることを想定して、同ウィンドウ表示にするか、別ウィンドウ表示にするかを判断する必要があるでしょう。