ユーザビリティコンサルタント
玉越 大輝
玉越 大輝
携帯電話は電車での移動中など空き時間に利用されることが多いため、携帯サイトは時間つぶしのために使われることが多いようです。
そのためか、携帯サイト訪問者は時間的に余裕があるという仮定のもと、訴求したい内容を右から左に流す『スクロールテキスト(動くテキスト)』で表現している携帯サイトを頻繁に見かけます。
また、この『動くテキスト』は一行に多くの情報を詰め込むことができるため、訴求したい内容が多い場合に安易に使われる傾向もあるようです。
しかし、この『動くテキスト』はほとんど読まれません。
サイトの性格にもよりますが、携帯サイトの場合であってもユーザは欲しい情報を一直線に探し、それ以外は目に入らないというユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)結果が出ています。
ユーザは自分の欲しい情報を探して、すぐに画面下へスクロールしたり、リンクをクリックして次の画面へ遷移してしまうため、『動くスクロールテキスト』部分で肝心なメッセージが表示される頃には全然関係ないところを見ていることになるのです。
この『動くテキスト』は、サイトに楽しい印象、華やかさをもたらすことはできるようですが、何らかのメッセージを訴求したい場合の見せ方としては不適切といえるでしょう。