取締役
武井 由紀子
武井 由紀子
サイト上で「よくあるご質問」や「技術情報」などのサポート情報を提供している場合、よく話題になるのが、「ユーザに電話(コールセンター)ではなく、何とかウェブサポートを使ってもらってサポートコストを削減したい」というテーマです。
この時、「できる限り電話されたくないので、電話番号を見つけづらい位置に隠す」という方法を取っているサイトが多くあります。
ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)をしてみると分かるのですが、一度「サイトで番号を調べて電話で聞こう」と思ったユーザに対して電話番号を隠しても無駄です。ユーザは躍起になって電話番号を探し出し、その結果半ばクレーム状態で電話することになります。
コール数は減らない上に、ユーザを怒らせているのですからむしろ逆効果と言えます。
では方法はないのか?といえば、そんなことはありません。もっとユーザの自主性を尊重して、ウェブで問題を解決することのメリットを謳うことで、ウェブサポートへの誘導を促進できます。
ユーザは「コスト(お金、時間)がかかるかどうか」を非常に気にしますので、そこに訴えかけるのです。
例えば、電話番号の近くに以下のような情報を掲載します。
- 電話は混みあってて繋がるまでに時間がかかるので、ウェブで調べて下さい。
- 電話サポートは●件目からは有料なので、簡単な問合せであればウェブで調べて下さい。(≒無料領域は難しい問合せのために取っておきましょう)
- 電話サポートを受けるには、会員番号やパスワードが必要です。
つまり、ウェブであれば「無料」で「待たされることもない」といった良い面をアピールするのです。
サポートに限らず、ユーザの振る舞いが見えないウェブ上では、「ユーザにして欲しくないこと」ではなく、「して欲しいこと」から考えることが重要なのです。