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『売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門』

『売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門』

著者:株式会社ビービット 遠藤直紀、武井由紀子
価格:1,944円(税込)
出版:日本実業出版社
発売:2015年12月10日

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プレスリリース

書籍執筆にあたって

契約による縛り付け、複雑な料金・サービス体系、煩雑な解約手続き・・・

顧客不満が多いにも関わらず、企業がこれらの事業モデルを辞められないのは、短期的には明らかに儲かるためです。

本来ビジネスとは、「顧客が満足すれば、売上に繋がる」というシンプルな構造のはずです。しかしこの実践は簡単なようで、非常に難しく、収益拡大だけを追った結果、冒頭の事例にあるような「顧客は満足していないが、売上に繋がる」というねじれた現象を引き起こします。

この状態に依存したままでいると、悪い結果が待ち構えていることは経験上明らかです。人口減少によって競争が激化するだけでなく、ネットの口コミが購買に大きな影響力を持つ今、悪い結果は想像よりも早く企業を襲うようになるでしょう。また、誰かの役に立つことが幸福感の根源であることを考えれば、このねじれた状態の仕事は働く喜びをも失わせます。

書籍を書いたのは、このねじれた状況から脱し、仕事を健全化することで、顧客が喜び、働く人がやり甲斐を感じ、企業により大きな収益をもたらし、社会が発展する、そういう世界が作りたかったからです。

本書の読みどころ・読んで頂きたい方

顧客ロイヤルティ経営やカスタマー・エクスペリエンスに関する書籍は数多くありますが、その中で本書を手に取って頂くために以下の3点については特に注力しました。

  1. 本当に良いと思う顧客ロイヤルティの本はすべて洋書であり、日本の実態に即した書籍がないため、日本企業の事例を多用すると共に、トップダウンが効きにくい日本の組織形態にあったノウハウを紹介
  2. 理想論だけに終始せず、実践に耐えうるよう再現性の高いノウハウとして、7つのステップに体系化
  3. 納得感を持って頂くため、実際のコンサルティングの現場で使った資料、データを可能な限り掲載

日本の事情に配慮すべく、スーパーオオゼキ、ソニー損保、セブン銀行、LIXIL、ヤマト運輸といった国内の先進企業事例を多く取り上げつつ、ロイヤルティ経営手法を7ステップに分け、顧客アンケートの取り方から、組織の動かし方、顧客志向文化の作り方についても出来る限りわかりやすく解説しました。

顧客満足やロイヤルティの創出、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験価値)の向上に課題をお持ちの方、また理不尽や契約や顧客の知識不足をベースとした課金など顧客にとって価値がない収益ではなく、顧客から「ありがとう」と言ってもらえる事業活動にフォーカスをしたいと思っている方、NPSに興味がある方、などにお読み頂けたら、何かしらのヒントをご提供できるかと思います。

目次詳細

プロローグ 顧客満足が高いのに競合に勝てないワケ

  1. 驚異的な高収益を生み出す長期顧客志向経営

    • 顧客志向経営で26年連続増収 ~オオゼキ
  2. 良い売上、悪い売上

    • 「売上=顧客満足の結果」の罠
    • ロイヤルカスタマーは売上上位顧客ではない
    • 「良い売上」にフォーカスして成長 ~ソニー損保
  3. 売上につながる顧客満足の正体

    • 顧客満足はもう古い
    • ロイヤルカスタマーの価値
  4. ロイヤルカスタマーを作る二つのポイント

    • ①正しいモノサシ=ロイヤルティ指標を持つ
    • ②カスタマーエクスペリエンスを改善する
    • カスタマーエクスペリエンス改善で復活 ~デルタ航空

ステップ1 良い売上にフォーカスする --ロイヤルティ指標の設定

  1. 経営の最高指標は「売上・利益」ではなく「ロイヤルティ指標」であるべき理由

  2. ロイヤルティ指標を検討する三つの下準備

  3. 顧客の好意度が測れる質問を選ぶ

    • 「NPS」とはどのような評価指標か?
    • NPSの対抗指標「CES」とは?
  4. ロイヤルティ指標は「収益連動度」をチェック

    • 独自指標を用いて驚異的な業績を生む北米の銀行 ~TDバンク
  5. NPSをあげたら売上が落ちる矛盾への対処法

    • 全顧客にロイヤルティの評価をしてもらう
    • 量的な指標を補助KPIとして導入する

ステップ2 顧客を怒らせる方法を考える --カスタマージャーニーマップ策定

  1. 顧客との接触をどれだけ「部分最適」しても意味はない

    • 顧客ロイヤルティ向上のためには「全体最適」
    • 部門最適ではどこかで必ず伸び悩む
  2. 顧客の経験をストーリーでとらえる「カスタマージャーニーマップ」

    • 高級レストランのカスタマージャーニーマップを描く
    • カスタマージャーニーマップ作成を目的化しない
    • カスタマーエクスペリエンスとどう違うのか?
    • カスタマージャーニーマップが失敗する四つの理由
  3. カスタマージャーニーマップの描き方

    • 顧客の立場に立とうとして、顧客の姿が目に浮かんだ人は失格
    • まずは「お客様を怒らせる方法」を考える
    • 「最高のファンになってもらう方法」を考える
    • 網羅性、完全性、正確性にこだわりすぎない
    • カスタマージャーニーマップの発展的活用法

ステップ3 顧客の声を集める --顧客フィードバックの獲得

  1. 「顧客からのフィードバック」を獲得する仕組みをつくる

    • 総合指標とドライビングファクター
    • アンケートで顧客に聞くべきドライビングファクターの見つけ方
    • 総合調査と個別調査
  2. 良い売上、悪い売上

    • 「売上=顧客満足の結果」の罠
    • ロイヤルカスタマーは売上上位顧客ではない
    • 「良い売上」にフォーカスして成長 ~ソニー損保
  3. うまく聞かないとデータもゴミになる ~調査設計のコツ

    • 最も聞きたい内容を最初に聞く ~質問の構造と順番
    • 自由回答欄を最低一つは設ける
    • 設問数は少ないほうが回答率が上がる
    • 適切な顧客に適切な頻度で聞く
    • 定量化できないドライビングファクター
  4. 調査も「カスタマーエクスペリエンス」の一部と心得る

  5. 調査バイアス・不正との戦い方

    • 調査結果と社員評価をひもづけると危険
    • 対面販売、担当営業性では顧客は正直に回答しない
    • 嫌いな理由がうまく言えないと評価は上振れする
  6. 悪い評価の即時対応

  7. 三つの基本集計

ステップ4 顧客は6タイプに分けて考える --ロイヤルティ別に顧客の特徴把握

  1. 顧客は「好意度」と「収益性」で6タイプに分類

    • ロイヤルティの詳細分析
    • ロイヤルティ別顧客像とドライビングファクター分析
    • 活動の優先順位づけ
  2. 分析すると見えてくるもの

    • 具体的な改善方針とデータによる説明
    • ロイヤルカスタマーなのに口コミしない顧客
    • ないがしろにされるロイヤルカスタマー
    • 「ニセ推奨者」「隠れ中立者」の取り扱い
    • 人にすすめたくないから0点という批判者
  3. 批判者を減らすべきか、推奨者を増やすべきか?

    • 推奨者作りの隠れたメリット

ステップ5 顧客の行動はウソをつかない --定性調査で顧客インサイト理解

  1. 声なき声まで拾える定性調査

    • 定量調査・アンケート調査だけでは半分もわからない
    • 個別調査における定量調査と定性調査の関係性
    • 内製化が進む定性調査
  2. 良い売上、悪い売上

    • 「売上=顧客満足の結果」の罠
    • ロイヤルカスタマーは売上上位顧客ではない
    • 「良い売上」にフォーカスして成長 ~ソニー損保
  3. 定性調査を実施する本当の意味

    • 顧客理解と共感を何より重視する業界最高NPSの金融機関 ~USAA
  4. 事実ベースで分析する ~顧客の行動はウソをつかない

    • ニーズを言語化することの限界
    • ②カスタマーエクスペリエンスを改善する
    • 言語化されたニーズと行動とのギャップ事例
  5. 定性調査でカスタマーエクスペリエンスを見極める

    • 行動+感想のセットでとらえる
  6. 定性調査の種類と特徴

    • カスタマージャーニーインタビュー
    • 行動観察調査
    • エスノグラフィー
    • 行動観察で声なきニーズをとらえる ~LIXIL

ステップ6 顧客と共に改善する --成功確度を高めるユーザ中心設計手法

  1. 二つの改善サイクル

    • フロントライン改善
    • 戦略的改善
  2. 成功確率を上げるデザイン思考アプローチ ~ユーザ中心設計手法

    • 特徴① 顧客ターゲッティング
    • 特徴② カスタマーエクスペリエンス設計
    • 特徴③ 実顧客による検証
    • 特徴④ 費用対効果を高めるスパイラル手法
    • 特徴⑤ 早期可視化による品質向上
    • ユーザ中心設計手法でATMをリニューアル ~セブン銀行
  3. ユーザ中心設計手法のメリット

    • 競争激化時代に成功確度を上げられる唯一の手法
    • 自然とエネルギッシュなチームができる
    • やらなくてよいことが明確に
  4. 顧客心理をとらえた店舗エクスペリエンス改善 ~フェデラルエクスプレス

ステップ7 顧客志向文化を形成する

  1. レベル1 トップのコミットメント

    • 顧客が先か利益が先か、問題があった時に問われる顧客志向
    • 官僚的組織から顧客志向組織へと変貌したオーストラリアの元国有企業
  2. レベル2 顧客ロイヤルティチームを作る

    • CCO(最高顧客価値責任者)の設置
    • 業界最高NPSをたたき出すUSAAのCCO ウェイン・ピーコック
  3. レベル3 顧客ロイヤルティの共通認識を創出

    • あるべき姿はストーリーで共有
  4. レベル4 顧客志向活動への動機づけ

    • 人は自分がされたように人に接する ~社員エクスペリエンス向上
    • 現場に権限を渡す
    • 人事評価への反映は慎重に
    • 金銭による動機づけ
    • 金銭以外での動機づけ
  5. レベル5 顧客ロイヤルティ活動の定着

    • 研修
    • 顧客“思考”の習慣化
    • 評価項目の見直し
    • 管理部門の例外ではない ~採用を工夫するサウスウェスト航空
    • 顧客フィードバックの共有
    • 顧客思考で業界慣習を覆し日本一の来店者数を実現 ~アットコスメストア

2015年12月21日 (月)