ユーザビリティコンサルタント
池田 朋弘
池田 朋弘
WEBサイトでは、紙面に比べて文字を読む速度が遅くなるため、画像が好まれる傾向にあります。
しかし、画像はメッセージを伝える手段であるという認識を忘れ、ただ画像を掲載しただけでは、ユーザと適切なコミュニーションが取れない場合があります。
ある通信教育サイトの事例をご紹介します。
このサイトでは、「教材のサンプル画像が見たい」というユーザからの要望が強く、企業側としても教材の良さを知ってもらいたいため、サイト上に多くのサンプル画像を用意していました。
しかし、サイトを閲覧したユーザに教材の印象を聞くと、「特に印象がない」「普通」という返事が返ってきてしまいました。なぜでしょうか?
ユーザ行動観察調査で画像を見る様子を観察すると、原因は明らかでした。
ユーザは、確かにサンプル画像は見ますが、何となく全体を眺めるだけで、すぐに次のページへ移動していました。
サンプル画像によって伝えたかった教材のこだわりや工夫が全く伝わっていなかったのです。
この例では、上記を正しく伝えるための改善案として、
・特に重要な部分だけにクローズアップした画像を用意する
・画像に訴求ポイントの注釈文言を加える
・画像付近に説明テキストを用意する
等の案が考えられます。
画像を用意する際は、まず「誰に何を伝えたいのか」を明確にしましょう。
それによって、どんな画像が最適か、どんな見せ方が効果的か変わってくるはずです。
この観点で一度ご自身のサイトを見直してみると新たな課題が発見できるかもしれません。