森川 洸
ウェブサイトは、テキスト、画像、動画など様々な要素で構成されています。皆さんはそれらをどのように使い分けているでしょうか?今回は、ユーザがサイトを訪問する際の目的意識の強弱による使い分けのヒントをご紹介します。
ウェブサイトにおけるテキスト、画像、動画には一般的に以下のような特徴があります。
弊社ではユーザ行動観察調査にアイトラッキングを用い、サイト利用時の視線の動きを調査していますが、そこで頻繁に見られる興味深い現象をご紹介しましょう。
あるメーカーサイトを題材として行った調査では、特定の情報を求めて訪問するケース(以下、探索モード)と、サイトのファンなど定期的にサイトを訪問しており、特に強い目的がないケース(以下、回遊モード)でユーザの目線の動きに明確な違いが見られました。(下図参照)
探索モード(図の左側)では、主にテキストリンクを中心に目的のコンテンツへのリンクを探す傾向があるのに対して、回遊モード(図の右側)では、バナーなどの画像を中心に見ていく傾向が強いことがわかりました。
また、動画の場合は画像よりもユーザの視線を集める傾向が強いものの、サイト利用後のインタビューの結果、やはり探索モードではあまり記憶に残らないケースが多いことがわかりました。
これは、探索モードでは画像は広告などであると捉えて無視し、必要な情報はテキストで提供されていると考えてコンテンツを見るのに対して、回遊モードでは視覚的なイメージをもとに気になるコンテンツを探そうという意識が働くためだと考えられます。
このサイトでは比較的ニーズの高いユーザコミュニティへのリンクを画像で掲載していましたが、探索モードのユーザには気づかれづらい傾向が見られました。逆に、探しているコンテンツではないもの(IR・環境への取り組みなど)でも、テキストリンクになっているものは比較的強く記憶に残っていることがわかりました。
上記の結果から、意図的に訴求したいキャンペーン情報などは、画像だけでなくテキストリンクもページ内に入れておくことが効果的ではないかと思われます。
ウェブサイトを閲覧するユーザのモードまで考慮した上で、どのような見せ方が最適か検討されてみてはいかがでしょうか?