ユーザビリティコンサルタント
池田 朋弘
池田 朋弘
せっかくコンテンツを作っても、リンクがユーザにクリックされず、内容を見てもらえない、という悩みをお持ちのWEBマスターの方は多いのではないでしょうか。
今回は、携帯サイトでユーザを次ページに導くためのテクニックをご紹介します。
携帯サイトはパソコンサイト以上にリンクが押されにくい
筆者がユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)を通して得た実感として、携帯サイトの方がパソコンサイトよりも次ページへの誘導が難しいという印象があります。ある携帯の有料会員制サイトでは、「ユーザはいつも利用しているリンク以外はほとんどクリックしない」というユーザ行動が見られました。
理由として、携帯サイトは
- 読み込みが遅い
- 隙間時間に利用される場合が多く、利用時間が短い
- パケット代がかかる
などが考えられます。
そのため、携帯サイトでユーザを次ページに誘導するためには、パソコンサイト以上に誘導方法を意識する必要があります。以下、ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)において誘導効果が見られたテクニックをご紹介します。
【テクニック1】 リンクはテキストに設定する
アイコンや「■」などにリンクが設定されている場合、ユーザはリンクそのものに気づかない場合があります。リンクは極力テキストに設定しましょう。【テクニック2】 リンクテキストを固めない
リンクテキストが何行も連なると、一つの固まりとしてまとめて読み飛ばされる場合があります。「リンクテキストを3~4行以上固めない」「重要リンクの前には余白を挿入する」など、画面にメリハリを付けましょう。【テクニック3】 リンク文言に独自用語を使わない
サイト内だけの独自名称・独自用語がある場合、それらをリンク文言として使用すると、特にそのサイトを使い慣れていないユーザはリンク先の内容を理解できません。独自用語をリンク文言に使用することは避けましょう。【テクニック4】 内容を補足する
リンク文言だけでは遷移先ページの内容を理解しにくい場合、リンクテキストの横・直下などへの補足の設置も検討しましょう。【テクニック5】 コンテンツをチラ見せする
コラム・企画記事などへのリンクでは、リンク付近にコンテンツ内容を露出することで、「さらに続きを読みたい」という意欲を喚起することができます。ただし闇雲な露出はページスペースを圧迫し、可読性を低めるなどのデメリットもあるため、内容の露出を行う場合には、「最新の記事のみ露出する」などのルールを決める必要があります。【テクニック6】 下位階層の構造を露出する
階層が深いサイトの場合、次ページ以下の下位構造を示し、下位コンテンツの内容を伝えることで、次ページ以降に誘導しやすくなります。下位ページで「並列コンテンツへの横串リンク(「ユーザビリティコラム」ページから「実践メモ」へのリンクなど)を設置する」などの工夫をすることで、ページ回遊効果がさらに高まるでしょう。今回ご紹介したテクニックが適用できる部分がないか、ご自身のサイトをもう一度チェックしてみてはいかがでしょうか。