森川 洸
携帯向けサイトを運営する中で、アクセス数はそれなりにあるのになかなか会員登録に結びつかずに歯がゆい思いをされた経験のある方も多いのではないでしょうか?
安易に広告投下費用を増やす前に、もう一度原因を考えてみましょう。
弊社で行うユーザ調査の分析結果から、特に無料の会員サイトを訪れるユーザが会員登録にいたるまでには大きく下記の4つのハードルがあることが分かっています。
- 不要なメールマガジンが届くのが嫌だ
- 個人情報を登録することに抵抗がある
- 情報を入力するのが面倒
- あえて登録する必要性が感じられない
これらのハードルを乗り越えるためのポイントを整理しました。
1.メールマガジンは配信頻度を明記する
これまでに何らかの無料サイトに登録した結果、大量のメールが届くようになったという苦い経験をしているユーザは意外と多いものです。メールマガジンの受信が必須のサイトの場合でも、あらかじめどの程度の頻度でメールを送付するのかを明示しておくことで、一定程度ハードルを下げる効果が期待できます。
2. 個人情報を登録させる場合には理由を明記する
ショッピングサイトのように、住所や氏名を入力することが必然的である場合にはあまり起こりませんが、そうでない場合には抵抗を感じるユーザは多く存在します。ユーザに対してきちんと個人情報取得の理由を明示しておくことでそうした抵抗感を抑えることが可能です。
「個人情報の取り扱いについて」といったページを用意して説明を行うことは必須ですが、実際にユーザが細かくチェックすることは稀ですので、別の対応が必要となります。
例えば、「不正な登録を排除し、サービスの品質を向上するため」「ID、PWをお忘れの際の本人確認のため」といったユーザに納得感のある理由をフォームページに直接記載することで抵抗感をやわらげる効果が期待できます。
3. できるだけ入力負荷の低いフォームを設計する
携帯はPCとは全く異なる独特の入力方式を持つため、特に携帯の操作に十分に慣れていないユーザにとってフォームの入力作業は大きな負荷となります。従って、できる限り入力負荷を下げるとともにフォーム1ページ目の項目数を少なくしてユーザの心理的負荷も同時に下げることが重要です。
携帯サイトのフォーム設計に関しては実践メモの中でも何度か取り上げておりますのでそちらをご参照ください。
(参考記事)
成果を上げる携帯サイトのフォーム設計
離脱されない携帯サイトのフォーム作成術
4 サービスの独自性や優位性を伝える
近年、携帯サイトでも検索エンジンが普及してきており、「大抵の情報は探せば見つかる」と考えるユーザが増えてきていると思われます。その中で、せっかく良いサービスを提供しているにもかかわらず、ユーザが一部の情報だけを見てサービスを過小評価してしまうということがよくあります。
特に検索から入ってきたユーザに対しては、単に情報を提供するだけではなかなか会員登録をしようという気にさせることが難しいため、サイトの回遊性を高めて多くのコンテンツに触れてもらう中でサービスの独自性や優位性をアピールしていくことがより重要となります。
上記のようなポイントを意識したサイト設計を行うことで会員登録率の向上を期待できるでしょう。