2008年10月27日

ユーザ心理を捉えてリスティング広告を改善する

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miyake
ユーザビリティコンサルタント
三宅 史生

多くのサイトがリスティング広告を出稿していますが、過去に色々なキーワードで出稿してみたが、「獲得効率が悪い」「コンバージョンしない」などの理由で、現在は獲得単価の安い企業名やサービス名のいわゆる「指名買いキーワード」のみ出稿し、その他の関連キーワード(複合語)は出稿していないというお話を伺うことがあります。

しかし、関連キーワードの出稿は本当に停止すべきなのでしょうか?

リスティング広告でコンバージョンに繋がらないのは、出稿キーワードではなく、タイトル・説明文やランディングページがユーザ心理に合っていないことが原因であることも多いため、検索するユーザの心理を捉えて改善を行うことで、関連キーワードでもコンバージョンを獲得できる可能性が十分にあります。

ここでは、ある大手インターネットサービス企業での改善事例をご紹介します。
この業界には多数の競合サービスが存在しており、多くのユーザがサービスの利用を検討する際に価格.comなどでサービスの比較を行います。
実際に、検索されているキーワードでも、「●●(サービス名) 比較」「●●(サービス名) ランキング」など、サービスを比べようとしていると考えられるキーワードが多数見られます。

この企業のサービスは、単純に価格だけで比べると他社より若干高く、過去の出稿でも前述の比較系キーワードではコンバージョンに繋がらなかったため、比較系キーワードでの出稿を停止していました。
しかし、検索キーワードからユーザの心理を想定し、それを踏まえてリスティング広告のタイトル・説明文やランディングページを改善することで、実際はそれらの比較系キーワードでも獲得単価を抑えてコンバージョンに繋げることが出来ました。
一例として、以下のような施策が有効でした。

施策(1)タイトル・説明文の中で、 「大企業」、「会員数の多さ」などを訴求して、安心感で納得させる
157-01.GIF

施策(2) ランディングページで自サービス内の複数プランを提示し、その中でプランを比較して納得させる
157-02.GIF

改善に繋がったこのケースでは、「●●(サービス名) 比較」など比較系キーワードで検索するユーザ全てが、複数のサービスをしっかり比較して決めたいと明確に思っているわけではなく、「自分は良いサービスを選んだ」という納得感を得たいだけのユーザも存在するのではないか、という仮説を持ち、それを踏まえたタイトル・説明文、ランディングページを設計したことが成功要因でした。

このように、リスティング広告の改善を行う際は、検索キーワードからユーザの心理を捉え、それに合致したタイトル・説明文からランディングページへの流れを設計することが非常に重要です。

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