2008年10月13日

Flashの読み込み時間にご注意

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顔写真
ユーザビリティコンサルタント
反中 望

今回は、Flashをナビゲーションに利用する場合に「読み込み時間」に注意する必要があるという事例についてご紹介します。

あるECサイトの商品検索ページでは、上部にFlashエリアがあり、その横に商品カテゴリの選択肢を置いていました。

図1 ECサイトの商品検索ページ

探したい商品カテゴリ(例:PC・周辺機器)をクリックすると、Flashエリアの中身が変わり、そこから下位分類(デスクトップパソコン・ノートパソコン・周辺機器)を選択するようになっています。

図2 カテゴリを選択すると、Flashエリアに下位分類が表示される

弊社のユーザ行動観察調査の中で、ノートPCを求めてこのページを訪れたユーザがいました。このユーザは、「とにかく目当ての商品を探したい」という商品検索モードであったため、ページが表示されるとすぐに「カテゴリ選択」から希望のカテゴリである「PC・周辺機器」を選択しました。

ところが、しばらく待っても何も反応がなく、ユーザはそこで「よくわからないな」と言ってサイトから離脱してしまいました。

実はこれは、カテゴリを選んでクリックした時には、まだFlashが「読み込み中」だったことが原因でした。そのため、ユーザがクリックしても何も起こらなかったのです。

図3 Flashの読み込み中にクリックしても、何も起こらない

ユーザビリティの重要な原則のひとつに、「ユーザの行動に対して、必ず何らかのフィードバックを返す」というものがあります。今回のケースのようにクリックしても何もフィードバックがないと、ユーザの当惑や不信感につながってしまうことになります。

今回のケースでは、Flashの読み込みが終わるまでカテゴリ選択のボタンを表示しない、あるいは読み込み中にカテゴリがクリックされた際には、読み込み完了後にきちんと反応する、というような解決策が考えられます。

ただ、もう少し深く考えてみると、読み込み時間が必要なFlashをナビゲーションに使うこと自体が、「早く商品を探したい」というユーザのニーズと合っていない可能性もあります。Flashを使う際には、「本当にユーザを待たせる価値があるのかどうか」という点について改めて考えてみるとよいのではないでしょうか。

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