楳園 秀土
サイトを訪問したユーザに対して「キャンペーンの告知」や「新製品の訴求」、「おすすめサービスの宣伝」のように、サイト訪問目的と違う何かを伝えたいということはよくあるのではないでしょうか。
しかし、「●●●●を購入したい」、「▲▲▲▲を申し込みたい」というようにユーザがサイトに対して明確な目的を持って訪問しているケースでは、ユーザは目的以外のものに中々注意を払いません。そのためサイト訪問者に訴求したいものを伝えられないまま、サイトから立ち去られてしまうということがよく起ります。
そういった場合に利用できるのが、完了画面やログアウト画面で訴求したいものを表示するという方法です。
目的遂行後に表示される完了ページやログアウト画面では、ユーザに「次は■■■■をする」といった明確な意思がないことが多く、サイトが訴求したいものを受け入れてくれることがあります。
以下は弊社が行ったユーザー行動観察調査で見られたユーザの行動例です。
あるECサイトでは新しく販売した製品をユーザに認知して欲しいという希望があり、トップページなど多くの画面で新製品を訴求していました。ただし、ユーザは自分が欲しいものの買い物に一生懸命なため、新製品の訴求に一向に気付きません。
そこで試してみたのが購入完了ページでの新製品訴求です。
購入完了ページでは買いたいものの購入が終わっているため、明確な目的を失い、心に隙が生じていました。その結果として、サイトが訴求したかった新製品の情報をとりあえず見てみるという行動が複数人において観察されたのです。
「訴求したいものがユーザになかなか気付いてもらえない」とお悩みのサイト運営者の方は完了画面やログアウト画面のようにユーザが目的を果たした直後の画面で訴求するという方法を試してみてはいかがでしょうか。
→ビービットコラムが更新されました。 第39回「ユーザ中心アプローチの時代」