2007年12月10日

ユーザの目だけではなく心も捉えよう

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ユーザビリティコンサルタント
土井 博貴

今回の実践メモは、2007年10月5日に行われたSimple*Simple(本稿末尾にて紹介)主催「ウェブサービスインターフェース勉強会」における弊社プレゼンテーションの内容をまとめたものです。

サイトを訪問するユーザに訴求したい商品・サービスがある場合、我々はついそれをサイト上で「目立たせる」ことでユーザに注目してもらい、アクションを起こしてもらおうとしがちです。

勿論、それも重要なポイントの一つですが、例えユーザの視界に入ったとしても、ユーザの興味がない内容であればアクションへとつなぐことはできません。

ある料理レシピ共有サイトでは、無料登録利用者を有料会員登録へと誘導するために、会員画面でバナー画像を用いて有料会員のメリットを整理して提示していました。

弊社はより効果を高める方法として、レシピ検索の検索結果表示画面の中に「レシピを人気順に並び替えできます」という文言のテキストリンクを用意し、有料会員登録へと誘導することを提案いたしました。

バナー画像はとても綺麗でわかりやすかったのですが、その画像を表示するタイミングに改善の余地があると考えたのです。

その結果、有料会員数が飛躍的に増加するようになりました。

ユーザに訴求したい商品・サービスがあれば、まずは見せ方ではなく、「その商品・サービスを欲しい・利用したいと思うもっとも良いタイミングはどこか」を考えることが大切です。

今回の場合、有料会員登録によりレシピの人気検索ができるのであれば、それをレシピ検索の結果画面や検索オプションの設定画面に配置することが有効だと考えられます。

ユーザがニーズを抱くタイミングに合わせてそのニーズを満たす魅力的な商品・サービスを訴求すれば、それがたとえ一行のテキストリンクであったとしてもユーザの心を動かしアクションを誘う大きな効果をもたらす可能性が高まります。

まずはユーザの心理を捉え、次に具体的な見せ方を考えるというステップが望ましいでしょう。

■Simple*Simpleについて
「Simple*Simple」では、細部にこだわりが見られる最新のインターフェース事例を多数紹介されています。ぜひご参考ください。

Simple*Simpleへ

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